旅行や帰省、出張の予定が決まったとき、レオパを飼っている方が最初に悩むのは「この子を何日くらい家に置いていけるのか」という点ではないでしょうか。
犬や猫と比べて手がかからない印象のあるレオパですが、変温動物なので温度の管理が途切れると体調に直結し、水や脱皮の状態も数日のうちに変わっていきます。
インターネットで調べると「1週間は平気」「2週間でも大丈夫」とさまざまな数字が出てきますが、その根拠まで書かれている情報は多くありません。
この記事では、レオパ(ヒョウモントカゲモドキ)ならではの体の仕組みから、留守番できる日数の考え方を整理します。
尻尾に栄養をためられること、成体の給餌が数日おきで済むこと、夜行性で紫外線ライトを必須としないこと、そして成体でも月に1〜2回ほど脱皮することが、留守番の準備にそれぞれ関わってきます。
数値は動物病院や獣医療機関が公開している飼育情報を土台にし、個人の経験談にとどまる数字はそのように区別してお伝えします。
出発前に何を整えればよいか、どこからは誰かにお世話を頼んだほうがよいのかが分かれば、旅行の計画も立てやすくなります。
長めの旅行でペットシッターに依頼するときに伝えておきたいことも、後半でまとめました。
目次
レオパは旅行中に何日留守番できる?

レオパの留守番について飼育者のあいだで紹介されている目安は、年齢と体の状態によって大きく変わります。
ここでは日数そのものを覚えるよりも、「普段の給餌を何回飛ばすことになるか」という視点で考えることをおすすめします。
そのほうが、手元の個体に当てはめて判断しやすくなるからです。
健康な成体なら数日〜1週間前後がひとつの目安
飼育情報を扱うサイトやブログでは、健康な成体であれば7〜10日前後の留守番が可能と紹介されていることが多く、1週間を目安とする記事も目立ちます。
獣医療機関のVCA Animal Hospitalsは、成体の給餌を週2〜3回としているため、1週間家を空けると普段の食事を2〜3回ほど飛ばす計算になります。
国内の動物病院でも、1歳以上のアダルトは3〜4日に1回の給餌が目安として案内されており、こちらに当てはめると1週間の留守は給餌1〜2回分の空白にあたります。
給餌の回数で見ると、1週間前後までは普段のリズムから大きく外れない範囲だと考えられます。
ただしこれは餌の話であって、水の鮮度や温度、脱皮の状態は日数とともに変わっていくため、長くなるほど準備の重みが増していきます。
出典: VCA Animal Hospitals「Leopard Geckos: Care and Feeding」、アニキュア動物病院「獣医師が教える!初めてのレオパードゲッコー飼育ガイド」
ベビー・ヤングは短い留守でも負担が大きい
体が小さいベビーや成長途中のヤングは、成体と同じ感覚で留守番させられません。
VCA Animal Hospitalsは幼体の給餌を1〜2日ごととしており、2泊3日の旅行でも普段の食事を1〜2回飛ばすことになります。
国内の動物病院の案内でも、ベビー期は毎日食べる分だけを与えるとされ、生後4〜12か月ほどのヤング期になってようやく3〜4日に1回の間隔になります。
飼育者向けの記事では、生後3か月ごろまでの留守番を3〜5日程度にとどめるよう勧める声が多く、尻尾にまだ栄養が十分にたまっていないことがその理由として挙げられています。
お迎えから日が浅い個体や、まだ体の小さい個体がいる時期に旅行が重なる場合は、日数が短くても誰かにお世話を頼む前提で計画したほうが無理がありません。
留守番させないほうがよい個体
年齢に関係なく、次のような状態の個体は留守番そのものを見送ったほうがよいとされています。
- 尻尾が細く、体重が落ちてきている
- 数回続けて餌を食べていない(拒食が続いている)
- 体調を崩して動物病院に通っている
- お迎えしてから日が浅く、環境に慣れていない
- 産卵が近い、または産卵直後のメス
尻尾の太さは、レオパの体力を外から確かめられる数少ない目安なので、出発の1〜2週間前から意識して見ておくと判断材料になります。
体重を量る習慣がある方は、普段の数値と比べて明らかに減っていないかも確認してください。
気になる様子があるときは、留守番の可否も含めてかかりつけの動物病院に相談しておくと判断しやすくなります。
「2週間は平気」という情報をうのみにしない
飼育情報のなかには「水さえあれば2週間は大丈夫」「1か月食べなくても耐える」といった表現も見られます。
たしかにレオパは絶食に強い種として知られていますが、こうした数字は体力のある成体が条件のよい環境にいた場合の話であり、出典が示されていないことがほとんどです。
VCA Animal Hospitalsは水を毎日交換することを勧めており、2週間放置すれば、その間ずっと同じ水を飲ませ続けることになります。
絶食に耐えられることと、健康な状態を保てることは別の問題です。
1週間を超える留守になる場合は、餌よりも水と温度、そして脱皮の管理が途切れる期間として捉え、誰かに様子を見てもらう方法を考えておくのが現実的です。
レオパが数日の留守番に向いている理由

爬虫類のなかでも、レオパは比較的留守番をさせやすい種だといわれます。
その理由は、原産地の環境に合わせて身につけた体の仕組みと、夜に活動する暮らし方にあります。
なぜ数日なら成り立つのかを知っておくと、逆にどこで無理が出るのかも見えてきます。
尻尾に栄養をためておける
レオパの原産地はイラン東部からアフガニスタン東部、パキスタン、インド北西部にかけての地域で、岩の多い砂漠や低木林で暮らしています。
国立環境研究所の侵入生物データベースでも、生息環境は岩砂漠や低木林、食性は昆虫などと整理されています。
餌となる虫がいつも手に入るとは限らない環境で生きてきたため、レオパは太い尻尾に栄養をため込み、食べられない期間をしのぐ体のつくりをしています。
飼育下でも、健康な成体の尻尾はふっくらと太く、アニキュア動物病院は尻尾のいちばん太い部分が首の付け根と同じくらいあるかを、体格を確かめる目安のひとつに挙げています。
この蓄えがあるからこそ、数日間の絶食で大きく体調を崩しにくいのです。
反対に、尻尾が細い個体は蓄えが少ないため、同じ日数でも負担が大きくなると考えてください。
成体の給餌は数日おきが基本
犬や猫は毎日ごはんを用意する必要がありますが、レオパの成体はもともと数日おきの給餌で飼育されています。
前の章で触れたとおり、VCA Animal Hospitalsは成体を週2〜3回、国内の動物病院は3〜4日に1回としており、毎日の給餌が前提になっていない点が留守番のしやすさにつながっています。
たとえば月曜と木曜に給餌している家庭なら、月曜に給餌して水曜に出発し、翌週の月曜に戻る5泊6日の旅行では、飛ばす給餌は木曜の1回だけで済みます。
旅行の日程を給餌の曜日に合わせて組むと、レオパの生活リズムをほとんど崩さずに家を空けられます。
ただし、ヤングまでの個体は給餌の間隔が短いため、この考え方はあくまで成体に当てはまるものです。
夜行性で紫外線ライトを必須としない
レオパは夜行性で、昼間はシェルターのなかで休み、夕方から夜にかけて動き出します。
VCA Animal Hospitalsは、紫外線(UVB)ライトについて必須ではないが推奨という立場をとっています。
UVB=太陽光に含まれる紫外線の一種で、昼行性の爬虫類の多くは体内でビタミンD3をつくるためにこれを必要とするとされています。
昼行性のトカゲでは、紫外線ライトや日光浴用のバスキングライトを毎日決まった時間に点灯させることが飼育の柱になり、留守中の照明の管理が大きな課題になります。
レオパの場合は保温をパネルヒーターなど床面の加温で行う飼い方が一般的なため、照明のタイマー管理に頼る部分が小さいという点で、留守中の設定が比較的シンプルになります。
普段からUVBライトを使っている方は、タイマーで普段どおりの点灯時間を保つか、数日間は消灯しておくかを事前に決めておきましょう。
それでも水と温度は毎日の管理が前提
ここまでの話から「レオパは放っておいても平気」と受け取るのは早計です。
餌の間隔が長いことと、水や温度の管理が不要であることはまったく別の話だからです。
VCA Animal Hospitalsは水を毎日交換するよう勧めており、夜間の温度は21℃程度までなら耐えられるとしています。
国内の動物病院は、ケージ内の暖かい場所を28〜32℃、涼しい場所を25〜27℃ほどに保つよう案内しています。
こうした条件は、飼い主が毎日ケージをのぞき、水を替え、温度計を確かめることで保たれているものです。
環境省の「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」にも、飼い主は動物の種類や発育状況に応じて適正に餌と水を与え、施設内の適切な温度や湿度を保つよう努めることが示されています。
留守番の準備とは、この「毎日の確認」がない期間をどう埋めるかを考えることだといえます。
留守中に起こりやすいトラブル

準備の中身を考える前に、レオパを置いて家を空けたときにどんなことが起こりうるのかを整理しておきましょう。
どれも毎日ケージを見ていれば早めに気づけるものばかりですが、留守中は気づく人がいないため、小さな異変がそのまま数日続いてしまう点が大きな違いです。
水切れと水の傷み
レオパは水入れから直接水を飲むほか、ケージ内の湿り気からも水分をとっています。
夏場や、冬にエアコンや暖房で部屋が乾燥している時期は、浅い水入れの水が思ったより早く減っていきます。
水入れをひっくり返してしまったり、床材が入り込んで水が濁ったりすることもあり、水がなくなる・汚れるという変化は、餌が切れるよりも先に体へ響きやすいものです。
VCA Animal Hospitalsが水を毎日交換するよう勧めているのも、浅い容器の水は数日で汚れやすいためと考えられます。
ケージの中は暖かいので、そのぶん水が傷むのも早いと考えておきましょう。
出発の1週間ほど前から、水入れの水位に印を付けて1日でどのくらい減るかを確かめておくと、留守の日数に対して水の量が足りるかどうかを具体的に見積もれます。
ケージ内の温度が上がりすぎる・下がりすぎる
レオパは変温動物で、周りの温度によって体温が変わり、食べた物の消化や体の動きもその影響を受けます。
国内の動物病院が案内している目安は、ケージ内の暖かい場所が28〜32℃、涼しい場所が25〜27℃です。
夏に窓を閉め切った部屋では、日中の室温がこの範囲を大きく超えることがあり、エアコンを止めて出かければケージの中はさらに暑くなります。
冬は反対に、暖房を切った部屋の室温がパネルヒーターだけでは補えないほど下がり、ケージの空気全体が冷えてしまうことがあります。
VCA Animal Hospitalsは夜間なら21℃程度まで耐えられるとしていますが、昼も夜もそれを下回る状態が何日も続くことは想定されていません。
留守中の脱皮で起こる脱皮不全
レオパの留守対策で見落とされやすいのが脱皮です。
武蔵野まりん動物病院によると、健康な成体でも1か月に1〜2回程度脱皮し、脱皮前には体の色が白っぽくくすんでいきます。
月に2回脱皮する個体なら、1週間の旅行のうちに脱皮が始まる可能性は十分にあると考えておくべきでしょう。
ケージ内が乾燥していると古い皮がうまくはがれず、指先や尻尾の先、目のまわりに皮が残る「脱皮不全」が起こりやすくなります。
同院は、指先に残った皮が血流を妨げると、先端が壊死してしまうことがあると説明しています。
普段なら飼い主が気づいて湿度を上げたり、動物病院に相談したりできますが、留守中は残った皮がそのまま何日も締めつけ続けることになります。
食べ残しの生き餌による事故
「留守のあいだ食べられるように」と、コオロギなどの生き餌を多めにケージへ放しておくのはおすすめできません。
食べきれなかったコオロギがケージの中で死ぬと傷んでにおいの元になり、水入れに落ちれば水を汚してしまいます。
生きたままのコオロギがレオパの体をかじることがあるともいわれ、特に脱皮中や休んでいるときは逃げ場がありません。
餌はケージに入れっぱなしにせず、食べ残しは出発前に回収しておくことが、飼育者向けの記事でも共通して勧められています。
停電や保温器具の故障
留守中のトラブルとして意外と多いのが、停電やブレーカーの作動、機器の故障です。
夏の落雷による停電でエアコンが止まったり、冬にパネルヒーターのコードが外れたりすると、ケージ内の温度は数時間で変わってしまいます。
停電から電気が戻っても、エアコンの機種によっては自動で運転を再開しないものがあります。
出発前に、停電のあとに自動で運転を再開する機能があるかを取扱説明書で確かめておくと、判断に迷わずに済みます。
サーモスタット=設定した温度に合わせてヒーターの電源を入れたり切ったりする機器も、センサーの位置がずれると正しく働かないため、留守の前に点検しておきたいところです。
出発前にやっておく準備

ここからは、数日〜1週間前後の旅行でレオパに留守番をしてもらう場合の準備を順に見ていきます。
準備は前日に慌てて済ませるより、出発の1週間ほど前から少しずつ整えておくほうが、レオパの様子を見ながら調整できます。
給餌は数日前から調整する
出発の直前にたくさん食べさせておけば安心だと思いがちですが、飼育者向けの記事では食べ過ぎに注意を促す声が多く見られます。
消化の途中で温度が下がると、食べた物がうまく消化されず吐き戻しにつながることがあるためです。
成体であれば、普段の給餌の曜日に合わせて出発の2〜3日前に普段どおりの量を与え、それ以降は与えないという組み立て方がよく紹介されています。
こうしておくと、出発する時点では消化がほぼ終わっている状態で留守番に入ることができます。
アニキュア動物病院は、体のくすみが目立ってきた段階から脱皮が終わるまでは絶食を勧めているため、出発前に脱皮の兆しが見えている場合は、無理に食べさせる必要はありません。
コオロギなどの生き餌を与えたときは、食べ残しがケージに残っていないかを最後にもう一度確かめてください。
水入れとウェットシェルターを整える
水入れは出発の前日か当日の朝に洗ってから新しい水に替え、普段より少し大きめの容器を用意しておくと水切れの心配が減ります。
ただし深すぎる容器は、体の小さい個体が入り込んだときに出にくくなるため、レオパが自力で出入りできる深さのものを選びましょう。
合わせて整えておきたいのがウェットシェルターです。
ウェットシェルター=上部のくぼみに水をためると、素焼きの素材を通して内部の湿度が保たれる隠れ家のことです。
武蔵野まりん動物病院は脱皮不全の対策として湿度を50〜60%ほどに保つことを挙げており、留守中に脱皮が始まっても、この中で体を湿らせながら皮を脱ぐことができます。
水入れとウェットシェルターの2か所に水がある状態にしておくと、どちらかが空になっても水分をとれる場所が残ります。
温度計とサーモスタットを点検する
留守中の温度管理は、機器が正しく動いていることが前提になります。
出発の数日前から、ケージの暖かい側と涼しい側の温度を朝晩で記録し、国内の動物病院が目安とする28〜32℃と25〜27℃の範囲に収まっているかを確かめましょう。
パネルヒーターはケージ底面の3分の1〜4分の1ほどに敷くのが目安とされており、レオパが暑ければ涼しい側へ移れるだけの逃げ場が残っているかも見ておきます。
サーモスタットのセンサーがずれていたり、コードが引っ張られていたりしないか、コンセントがしっかり差し込まれているかも点検してください。
季節ごとの温度対策
同じ1週間の留守でも、夏と冬では気をつけるポイントが逆になります。
夏はエアコンで室温の上限を抑える
夏の留守番では、ケージが熱くなりすぎないことをいちばんに考えます。
部屋を閉め切ると日中の室温が30℃を大きく超える日もあり、ケージの中はそれ以上に熱がこもります。
エアコンは冷房でつけたままにし、ケージに直射日光が当たらないようカーテンを閉めて出かけるのが基本です。
設定温度は、普段の室温とケージ内の温度計の数値を見比べながら、暖かい側が上限を超えないところに決めておきましょう。
冬はパネルヒーターと室温の両方で守る
冬は、パネルヒーターだけではケージ内の空気まで温めきれないことがあります。
パネルヒーターは床面から体を温める器具で、周りの空気を温める力は大きくないためです。
暖房を切った部屋では、エアコンの暖房や保温球などで室温そのものを保ち、そのうえで床面の加温を組み合わせると温度が安定しやすくなります。
暖房で部屋が乾燥しやすい時期でもあるため、ウェットシェルターの水が十分かも合わせて確認してください。
ケージの戸締まりを確認する
レオパは力が強くないものの、ふたのわずかな隙間から抜け出してしまうことがあります。
留守中に脱走すれば、見つけてくれる人もおらず、冷えた床や家具の隙間で弱ってしまうおそれがあります。
動物愛護管理法第7条第3項は、飼い主に対して動物の逸走を防止するために必要な措置を講ずるよう努めることを求めており、ふたの留め具やロック、配線用の穴の隙間まで出発前に確かめておくことが大切です。
出典: e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律」
見守りカメラとスマート家電を用意する
離れた場所から様子を確かめられる道具があると、留守中の不安をかなり小さくできます。
夜間撮影に対応した見守りカメラなら、夜に活動するレオパが水を飲んだり歩き回ったりする様子をスマートフォンで確かめられます。
スマートフォンと連携する温湿度計は、部屋の温度が設定した範囲を外れたときに通知を送れる製品もあり、エアコンの停止にいち早く気づけます。
温度の異常に気づいたときに、駆けつけてくれる人を決めておくことまでできれば、道具の効果がさらに生きてきます。
レオパを旅行に連れて行くのは避けたい理由

「置いていくのが心配なら、一緒に連れて行けばいい」と考える方もいるかもしれません。
しかし飼育者向けの記事の多くは、レオパを旅行に連れて行くことに否定的です。
移動と慣れない環境は、変温動物のレオパにとって留守番以上の負担になりやすいからです。
移動中の温度を保ちにくい
レオパの体温は周りの温度に左右されるため、移動中も暖かい場所と涼しい場所がそろった環境を保つ必要があります。
ところが車や電車での移動では、パネルヒーターのように電源の要る器具を使い続けるのは簡単ではありません。
夏の車内はエアコンを止めた短い時間でも高温になり、冬の屋外を歩く数分でもキャリーの中は冷えてしまいます。
使い捨てカイロや保冷剤で調整する方法もありますが、狭いキャリーの中では温度が上がりすぎたり下がりすぎたりしやすく、レオパが自分で逃げ場を選べない点が大きな問題です。
たとえば車で数時間かけて帰省する場合、休憩で車を離れるたびにエアコンが止まり、そのあいだにも車内の温度は外の気温に引っ張られて変わっていきます。
キャリーは中の空気の量が少ないぶん、外の温度の変化がそのまま伝わりやすく、ケージの中よりも温度の振れ幅が大きくなりがちです。
移動のあいだは温度計を入れて確かめることもできますが、異常に気づいても、その場ですぐに手を打てるとは限りません。
慣れない環境がストレスになる
レオパは、普段のケージの中で決まったシェルターに隠れ、決まった場所で排せつし、夜になると同じルートを歩くという生活を送っています。
旅行先の部屋ではにおいも明るさも音も変わり、夜行性のレオパが休みたい昼間に人の出入りや物音が続くこともあります。
ホテルの客室には、部屋を出てカードキーを抜くと電源が切れる仕組みのところもあり、観光で外出しているあいだは空調が止まってしまうことも考えられます。
こうした変化が重なると、落ち着かずにシェルターから出てこなくなったり、餌を食べなくなったりする個体もいます。
宿泊先の多くはペットの同伴に制限があり、爬虫類を受け入れているかどうかも施設ごとに異なるため、事前の確認も欠かせません。
数日の旅行であれば、住み慣れたケージの中で温度と水を整えて待ってもらうほうが、レオパにとっては変化の少ない過ごし方になります。
やむを得ず移動させるときの注意
引っ越しや帰省先での長期滞在など、どうしても一緒に移動しなければならない場面もあるでしょう。
その場合は、次の点を押さえておくと移動中の負担を減らしやすくなります。
- 通気口のある小さめのプラケースに、キッチンペーパーを敷いて入れる
- 移動の前日から当日は給餌を控え、吐き戻しを避ける
- 夏は直射日光と車内の高温、冬は外気による冷えを避ける
- 移動先には、あらかじめケージとパネルヒーターを設置しておく
- 到着後はすぐに触らず、落ち着くまで様子を見る
ケース内でレオパが大きく動き回ると体をぶつけることがあるため、体の大きさに合ったサイズを選ぶことも大切です。
移動の時間が長い場合は、途中で温度を確かめられるように、ケースの近くに小さな温度計を入れておくと判断しやすくなります。
移動のあとは、数日は餌を食べなくても様子を見るくらいの気持ちでいると、焦って環境をいじりすぎずに済みます。
到着して数日たっても食べない、動きが極端に鈍いといった様子が続くときは、移動先の近くで爬虫類を診てもらえる動物病院に相談してください。
旅行のための移動は、これだけの準備をしても負担をゼロにはできないため、短い旅行であれば留守番、長い旅行であればお世話を頼む方法を先に検討するのがおすすめです。
レオパの留守番でよくある質問

レオパを置いて旅行に行く前に、飼い主が迷いやすい点を質問の形でまとめました。
どれも個体の状態や季節によって答えが変わる部分があるため、普段の様子と照らし合わせながら判断材料として使ってください。
留守中の霧吹きは必要?
普段から霧吹きで湿度を上げている方は、留守中にそれができなくなることが気になるかもしれません。
レオパは乾燥した地域の出身ですが、脱皮の時期には湿り気のある場所を必要とするため、霧吹きの代わりになる仕組みを用意しておくことが大切です。
いちばん手軽なのは、ウェットシェルターの上部に水をたっぷりためておく方法で、数日であれば内部の湿度をある程度保てます。
自動で霧を出すミスト装置もありますが、レオパのケージは湿度が上がりすぎると床材が蒸れてカビの原因になるため、普段使っていない機器を留守の直前に導入するのは避けたほうがよいでしょう。
新しい機器を使いたい場合は、出発の2週間ほど前から試しておき、湿度計の数値が上がりすぎないかを確かめてから留守番に使ってください。
自動給餌器は使える?
魚や一部の爬虫類向けには自動給餌器が販売されていますが、レオパの留守番ではあまり使われていません。
レオパの多くはコオロギなどの生きた虫や、人工飼料を飼い主の手やピンセットから食べる形で飼われており、決まった時間に餌を落とす仕組みとは相性がよくないためです。
人工飼料をケージに置いておく方法も考えられますが、食べなかった分が数日で傷み、水入れに落ちれば水を汚してしまいます。
前の章で触れたように、成体であれば1週間前後の留守番で飛ばす給餌は1〜3回ほどで、普段の給餌の間隔から大きく外れないため、餌を置いていくより、水と温度の管理を優先するほうが理にかなっています。
帰宅後に餌を食べないときは?
旅行から帰ってすぐに餌を与えても、レオパが食べないことがあります。
留守のあいだの温度変化や、帰宅後の物音や人の気配に反応して、しばらく落ち着かない個体もいるためです。
帰宅したらまず水を新しいものに替え、温度が普段の範囲に戻っているかを確かめてから、その日の夜か翌日に普段どおりの量で給餌してみましょう。
1回食べなかっただけであれば、慌てて何度も餌を差し出すより、次の給餌日にもう一度与えてみるという進め方が飼育者のあいだではよく紹介されています。
ただし、数回続けて食べない、体重が目に見えて減っている、尻尾が細くなってきたといった変化が見られる場合は、自己判断で様子を見続けず、爬虫類を診てもらえる動物病院に相談してください。
脱皮の皮が指先や尻尾の先に残っていないかも、帰宅後に一度確かめておくと見落としを防げます。
1泊2日でも準備は必要?
1泊2日の旅行であれば、成体のレオパにとって給餌の面ではほとんど影響がありません。
それでも、温度と水の準備は日数にかかわらず必要です。
真夏にエアコンを切ったまま1晩家を空ければ、その1晩のうちにケージ内の温度が大きく上がることもあります。
「短いから大丈夫」ではなく、「短くても温度と水だけは確保する」という考え方で、エアコンの設定と水の交換、戸締まりの確認だけは済ませてから出かけましょう。
冬の1泊でも同じで、暖房を切って出かけた夜に冷え込みが重なれば、パネルヒーターの上以外はケージの空気がかなり冷えてしまいます。
出かける前に天気予報で滞在中の最高気温と最低気温を確かめておくと、エアコンをどの設定で残していくかを決めやすくなります。
長めの旅行ならお世話を頼む

1週間を超える旅行や、ベビー・ヤングの個体がいる時期の外出、真夏や真冬で温度の管理が心配な場合は、誰かにお世話を頼むことを考えましょう。
レオパの留守番で途切れてしまうのは「毎日の確認」なので、それを誰に担ってもらうかがポイントになります。
預け先は大きく3つ
レオパのお世話を頼む方法は、大きく分けて次の3つです。
| 頼み先 | 特徴 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 家族・知人 | 自宅に来てもらえれば環境を変えずに済む | 爬虫類の扱いに慣れていないと、温度や脱皮の異変に気づきにくい |
| 爬虫類を扱うショップやペットホテル | 爬虫類の知識があるスタッフに見てもらえる | レオパをケージごと運ぶ必要があり、移動と環境の変化が負担になる |
| ペットシッター | 自宅に来てもらい、いつものケージのまま世話を受けられる | 爬虫類に対応しているかどうかは事業者ごとに異なる |
家族や知人に頼む場合は、出発前に一度いっしょにお世話をしてもらい、水の替え方や温度計の見方を実際に確かめておくと、留守中に迷う場面を減らせます。
爬虫類に苦手意識がある人にとっては、ケージのふたを開けること自体が負担になる場合もあるため、頼む前に率直に相談しておくことも大切です。
施設に預ける方法と自宅に来てもらう方法の違いは、ペットシッターとペットホテルどっち?違いと選び方を解説で詳しく比べています。
自宅に来てもらうシッターが向いている理由
前の章で見たとおり、レオパにとって移動と慣れない環境は大きな負担になります。
ペットシッターに自宅へ来てもらえば、ケージもシェルターも温度の設定もいつものまま、水の交換や温度の確認だけを代わりに行ってもらえるという点で、レオパの暮らし方と相性のよい方法です。
たとえば1週間の旅行なら、2〜3日おきに訪問してもらい、水の交換と温度の確認、脱皮の皮が残っていないかのチェックを頼むといった組み立て方ができます。
訪問の回数や時間は、個体の年齢や季節、依頼する事業者の対応内容によって調整しましょう。
なお、ペットシッターは動物愛護管理法にもとづく第一種動物取扱業の「保管」にあたり、事業を営むには都道府県知事などの登録が必要です。
第一種動物取扱業=動物の販売や保管などを業として行う事業者に義務づけられた登録のことで、環境省は保管の例としてペットのシッターを挙げています。
同法第10条第1項では、この登録の対象となる動物に爬虫類も含まれると定められています。
ペットシッターがどのようなお世話に対応しているのかは、ペットシッターは何をする?仕事内容を徹底解説で紹介しています。
シッターに伝えておくこと
レオパは犬や猫に比べて、お世話の細かな手順が家庭ごとに異なる動物です。
いつもの環境を保ってもらうために、次の項目は紙にまとめてケージの近くに置いておくと伝え漏れを防げます。
- 年齢、体重、普段の尻尾の太さ
- 最後に給餌した日と、留守中に給餌を頼むかどうか
- 給餌を頼む場合の餌の種類、量、与え方(ピンセットか置き餌か)
- 水入れとウェットシェルターの水の交換方法
- ケージの暖かい側と涼しい側の温度の目安
- エアコン、パネルヒーター、サーモスタットの設定と、触ってよい範囲
- 脱皮の前兆と、皮が残っていたときの連絡の仕方
- ふたの開け閉めの方法とロックの位置
- かかりつけの動物病院の名前、連絡先、診療時間
爬虫類のお世話に慣れているか、レオパを扱った経験があるかは、依頼する前に確かめておきたい点です。
同じペットシッターでも、対応できる動物の種類は事業者ごとに異なります。
依頼先を選ぶときの見方は、ペットシッターの選び方|失敗しない8つのポイントにまとめています。
レオパのお世話ができるシッターを探す
ペットシッタープレミアムステージでは、爬虫類のお世話に対応するペットシッターの店舗を、動物の種類から探せます。
爬虫類(ヘビ・トカゲ・カメ)のお世話に対応するペットシッターを見る
掲載されている店舗の対応内容を確認し、気になる店舗があれば各店舗へ直接お問い合わせいただく流れになります。
料金や訪問できる時間帯、対応エリアは店舗ごとに異なりますので、詳しい条件は各店舗にご確認ください。
料金の考え方の目安は、ペットシッターの料金相場|選び方と注意点を解説で紹介しています。
まとめ

レオパを置いて旅行に行くときの考え方を振り返ります。
健康な成体であれば、飼育情報では7〜10日前後、目安としては1週間前後の留守番が可能と紹介されています。
これは成体の給餌が週2〜3回や3〜4日に1回と数日おきで済み、尻尾に栄養をためておけるレオパの体の仕組みに支えられたものです。
一方で、ベビーやヤング、尻尾が細い個体や体調を崩している個体は、短い留守でも負担が大きいため、日数にかかわらず誰かにお世話を頼む前提で考えてください。
留守中に途切れるのは餌よりも、水の交換と温度の確認、そして脱皮の見守りです。
成体でも月に1〜2回ほど脱皮するため、1週間の旅行なら留守中に脱皮が重なることも想定し、水入れとウェットシェルターの2か所に水を用意しておくと備えになります。
夏はエアコンで室温の上限を抑え、冬はパネルヒーターに加えて室温そのものを保ち、停電後にエアコンが自動で再開するかも確かめておきましょう。
旅行に連れて行く方法は、移動中の温度を保ちにくく、慣れない環境がストレスになりやすいため、できるだけ避けたほうが無理がありません。
1週間を超える旅行や、季節の条件が厳しい時期の外出では、自宅に来てもらえるペットシッターに水と温度の確認を頼むという選択肢があります。
いつものケージのままお世話を続けてもらえる方法を探す際は、爬虫類に対応している店舗かどうかを確かめたうえで相談してみてください。
帰宅後に食べない状態が続いたり、体重が減っていたりするなど気になる様子が見られたときは、ためらわずに爬虫類を診てもらえる動物病院に相談しましょう。







