ハムスターの留守番は何日まで?準備と温度管理のコツ

仕事で毎日家を空けるときや、1泊だけの用事ができたとき、「ハムスターをひとりにしておいて大丈夫だろうか」と気になる飼い主さんは多いのではないでしょうか。

ハムスターは散歩の必要がなく、犬や猫に比べると留守番に向いている印象がありますが、暑さや寒さ、水が飲めない状態には強くないため、準備の仕方ひとつで留守番中の過ごしやすさが大きく変わります。

この記事では、日中の外出から1〜2泊までの留守番を対象に、どこまでならハムスターだけで過ごせるのか、その限界を決めているのは何かを整理していきます。

そのうえで、出かける前の確認、1〜2泊に向けた準備、室温と湿度の管理、季節ごとの注意点、帰宅したときに見ておきたいポイントまでを順に紹介します。

数値には、動物病院の公開情報や英国の動物福祉団体RSPCAの飼育ガイドといった出典を添えました。

留守番の限界と準備のコツが分かれば、外出のたびに不安を抱えずに済むようになります。

目次

ハムスターの留守番はどこまでできる?

砂時計と置き時計(ハムスターの留守番はどこまでできる?のイメージ)

ハムスターの留守番を考えるときは、「毎日の外出」と「泊まりがけの不在」を分けて考えると整理しやすくなります。

ここでは、日中の外出、1泊2日、2泊を超える場合の3つに分けて、それぞれどこまでなら留守番で対応できるのかを見ていきます。

日中の仕事や外出は留守番として問題になりにくい

ハムスターは夜行性の動物で、RSPCA(英国王立動物虐待防止協会)も、暗いところで働く細胞が多い大きな目を持つ夜行性の動物だと紹介しています(RSPCA「Hamsters」)。

昼間は巣箱のなかで眠って過ごす時間が長いため、飼い主が仕事や学校で8〜10時間ほど家を空けること自体は、ハムスターにとって大きな負担にはなりにくいと考えられます。

むしろ、昼間に何度もケージをのぞいたり、寝ているところを起こしたりするほうが、休息を妨げてしまうこともあります。

日中の留守番で気をつけたいのは不在の時間の長さよりも、そのあいだの室温と、給水ボトルから水が出ているかどうかの2点です。

1泊2日は条件がそろえば留守番できる

1泊2日の留守番については、多くの飼育情報が「準備を整えれば対応できる」という目安を示しています。

ここでいう準備とは、水をいつでも飲める状態にしておくこと、室温をエアコンで一定に保つこと、傷みにくい餌を多めに入れておくこと、そしてケージの戸締まりを確かめておくことです。

反対に、エアコンをつけられない部屋で真夏に留守番させる場合や、給水ボトルの調子が悪い場合は、1泊であっても留守番に向いた状態とはいえません。

出発と帰宅の時刻によっても条件は変わり、朝に家を出て翌日の夜に戻る場合は、不在が36時間近くになるため、「1泊」という言葉より実際に家を空ける時間の長さで考えるほうが判断を誤りにくくなります。

春や秋のように冷暖房を使わなくても室温が安定しやすい時期と、エアコンが欠かせない真夏や真冬とでは、同じ1泊でも準備の重さが違う点も覚えておきましょう。

2泊を超える留守番は人の手を借りる

2泊3日以上になると、給水ボトルの不具合や室温の変化、体調の異変が起きても、丸2日以上誰も気づけない時間が続くことになります。

RSPCAも、休暇で家を空けるときはハムスターの世話をしてくれる責任ある人を確保するよう呼びかけています(RSPCA「Hamster health and welfare」)。

2泊を超える予定がある場合は、家族や知人、ペットシッターに様子を見に来てもらう方法を中心に考えましょう。

訪問型のペットシッターと施設型のペットホテルの違いは、ペットシッターとペットホテルどっち?違いと選び方を解説で比べています。

幼いハムスターや高齢のハムスターは短めに考える

迎えたばかりの幼いハムスターや、年齢を重ねて体力が落ちてきたハムスター、持病があるハムスターは、同じ留守番でも体調を崩したときの影響が大きくなりやすいといわれています。

こうした場合は、1泊の留守番でも誰かに一度様子を見てもらうなど、一般的な目安より短めに考えておくと、変化に早く気づけます。

どこまで留守番させてよいか迷うときは、かかりつけの動物病院で普段の健康状態と合わせて相談してみてください。

留守番の長さを左右する4つのポイント

ハムスターがどこまで留守番できるかは、泊数そのものよりも、不在のあいだに次の4つの条件を保てるかどうかで決まります。

逆にいえば、この4つのうちどれが崩れやすいかを知っておけば、自分の住まいや季節に合わせて、留守番の長さを判断しやすくなります。

水をいつでも飲める状態を保てるか

留守番でもっとも気をつけたいのが、給水ボトルのトラブルです。

RSPCAは、給水ボトルと飲み口をこまめに洗い、漏れや詰まりがないかを毎日確認するようすすめています(RSPCA「Hamster diet」)。

同じ資料では、ハムスターは強い力で吸うことができないため、ボールで栓をするタイプの飲み口では水を出しにくい場合があるとも説明されています。

飲み口に床材が挟まって水が止まったり、ボトルの取り付けが甘くて少しずつ漏れ出したりすると、ボトルのなかに水が残っていても実際には飲めない状態が続いてしまいます。

こうした不具合は人が見ていなければ気づけないため、不在の時間が長くなるほどリスクが大きくなっていきます。

室温と湿度が安定しているか

動物病院の公開情報では、ハムスターの飼育に適した環境を温度20〜26℃、湿度40〜60%としています(吉祥寺エキゾチック動物病院「ハムスターの飼育方法 飼育環境」)。

同じ情報では、27℃を上回ると熱中症や脱水症状を起こすおそれがあり、10℃を下回ると疑似冬眠と呼ばれる危険な状態になることがあると説明されています。

ここでいう疑似冬眠は、本来の冬眠とは違い、急な冷え込みに体がついていけずに体温が落ちて動けなくなる状態を指し、ハムスターの体に大きな負担がかかります。

留守番のあいだは室温を人が直せないため、エアコンで一定に保てるかどうかが、そのまま留守番できる時間の長さに直結します。

湿度についても、同じ情報は高すぎるとダニやカビが発生しやすくなり、低すぎると皮膚や目が乾燥しやすくなると説明しているので、梅雨や冬の乾燥する時期は温度とあわせて気にかけておきましょう。

食べ物が傷まないか

ハムスターは食べ物を頬袋に詰めて巣に運び、あとで食べるために貯めておく習性があると、RSPCAも紹介しています(RSPCA「Hamster diet」)。

乾いたペレットであれば数日で傷む心配は小さいものの、野菜や果物などの水分を含む食べ物は、室温が高い時期には巣のなかで傷んでしまうことがあります。

そのため、留守番が長くなるほど、置いていける食べ物の種類は限られてくると考えておきましょう。

また、トイレや床材の汚れも日数とともにたまっていき、においや湿気がケージのなかにこもりやすくなるため、衛生面の点でも留守番の長さには限りがあります。

体調の変化に気づけるか

RSPCAは、ハムスターは代謝が高いため、体調を崩すと短い期間で状態が悪くなりやすいと説明しています(RSPCA「Hamster health and welfare」)。

同じRSPCAは、食べる量が減った、糞が湿っている、お尻のまわりが汚れているといった変化があれば、すぐに獣医師へ相談するよう呼びかけており(RSPCA「Hamster diet」)、こうした変化は毎日見ていてこそ気づけるものです。

留守番の日数が延びるほど、体調の変化に気づくまでの時間も延びるという点は、日数を決めるときに意識しておきたいポイントです。

日常の外出で留守番させるときの準備

「事前準備」と書かれたノートとペン(日常の外出で留守番させるときの準備のイメージ)

仕事や買い物などの日常の外出は、毎日のことだからこそ、確認の手順を決めて習慣にしてしまうのが近道です。

ここでは、出かける前に短時間でできる確認と、ケージの置き場所、帰りが遅くなる日の備え、ペットカメラの使い方を紹介します。

出かける前の5分でできる確認

毎朝の出がけに確認したいのは、次の5つです。

  • 給水ボトルの飲み口を指で軽く押して、水が出るかどうか
  • 餌入れに、その日の夜に食べる分の餌が入っているか
  • ケージの扉や屋根のロックがかかっているか
  • 室温計の表示と、エアコンの運転状態
  • 窓から入る日差しがケージに当たらないか

どれも1つにつき数十秒で済む内容ですが、特に給水ボトルは、見た目に水が残っていても飲み口が詰まっていることがあるので、実際に水が出るところまで確かめるのがポイントです。

この確認を玄関に向かう前の決まった流れにしておくと、忙しい朝でも抜けにくくなります。

ケージの置き場所を見直す

留守番のしやすさは、ケージをどこに置くかでも変わります。

RSPCAは、ハムスターをすきま風や湿気にさらさないこと、明るい日差しに敏感なこと、休息をさまたげられない静かな場所に置くことをすすめています(RSPCA「Hamster environment」)。

さらに同じ資料では、テレビやパソコンの画面、掃除機、流れる水の音など、人には聞こえない超音波を出すものから離して置くよう呼びかけています。

家のなかでいえば、窓際や西日の入る場所、エアコンの吹き出し口の真下、玄関に近くて冷気が入りやすい場所は、留守番中に温度が大きく動きやすいので避けたい位置です。

床に直接置くと冬は冷気がたまりやすいため、人の腰くらいの高さの安定した台に置くと、室温との差が小さくなります。

帰りが遅くなる日の備え

ハムスターは夕方から夜にかけて活発になり、餌を食べたり回し車で走ったりするのもこの時間帯が中心です。

そのため、残業や予定で帰宅が夜遅くなる日は、朝の時点で夜の分の餌を入れておき、飼い主が戻るのを待たずに食べ始められるようにしておくと、生活のリズムを崩さずに済みます。

急に帰れなくなる可能性がある日は、エアコンを朝から連続運転にしておくほか、家族や近くに住む人に「帰れなくなったら様子を見てほしい」と頼めるようにしておくと、いざというときに慌てません。

ペットカメラで様子を確かめる

外出先から様子を見られるペットカメラは、日常の留守番でも役立つ道具です。

カメラの画角に室温計が入るように置いておけば、外出先から室温を確かめられ、エアコンが止まっていないかを判断する材料になります。

夜の様子も確かめたい場合は、暗い場所でも映る機能があるものを選ぶと、ハムスターが活動している時間の姿を確かめやすくなります。

ただし、カメラで異変に気づけても、給水ボトルの詰まりやエアコンの停止をその場で直すことはできないため、駆けつけてくれる人の当てがあるかどうかとセットで考えておきましょう。

カメラの動作音やランプの光が気になるハムスターもいるので、ケージから少し離した位置に置き、設置した直後は落ち着いて過ごせているかを見守ってください。

1〜2泊の留守番に向けた準備

泊まりがけの留守番では、日常の外出より長い時間、誰の手も入らない状態になるため、準備の中身を一段階厚くしておく必要があります。

ここでは、餌と水、掃除、脱走とケガの対策に分けて、1〜2泊の留守番の前にやっておきたいことを紹介します。

餌は日持ちするものを多めに入れる

留守番中の餌は、傷みにくい乾いたペレットを中心にして、不在の日数に対して余裕のある量を入れておきます。

ハムスターは餌を頬袋で巣に運んで貯めるため、餌入れだけでなく巣箱のなかにも食べ物が蓄えられていくので、餌入れが空になったらすぐに食べる物がなくなるというわけではありません。

一方で、野菜や果物、ゆで卵などの水分やたんぱく質を多く含む食べ物は、巣のなかに運ばれたまま傷んでしまうことがあるので、出発の前日からは与えるのを控え、留守番中はペレットだけにしておくのが基本です。

食べ慣れない新しい餌を留守番のタイミングで試すのも、食べないまま過ごしてしまう原因になるため避けましょう。

給水ボトルは2本つける

泊まりがけの留守番では、給水ボトルを2本つけておくと、どちらか一方が詰まったり漏れたりしても水を切らさずに済みます。

できれば、飲み口の仕組みが異なる2種類のボトルを組み合わせておくと、同じ原因で両方が出なくなる事態を避けやすくなります。

新しいボトルを追加する場合は、出発の数日前から取り付けて、ハムスターが実際にそのボトルから飲めているかを確かめておきましょう。

ボトルの位置は、ハムスターが立ち上がって無理なく口が届く高さにし、飲み口の先が床材に埋もれていないかも確認しておきます。

掃除は前日までに部分的に済ませる

トイレ砂や、おしっこで汚れた部分の床材は、出発の前日までに取り替えておきます。

ただし、床材や巣材を全部新しくすると、自分のにおいが消えてハムスターが落ち着かなくなることがあるため、汚れた部分だけを入れ替える程度にとどめるのがおすすめです。

給水ボトルは中を洗ってから新しい水を入れ、餌入れも一度洗って乾かしておくと、留守番中の衛生状態を保ちやすくなります。

ケージの丸洗いや大きなレイアウト変更は、留守番の数日前までに済ませるか、帰宅後に回すようにして、出発直前の環境の変化をできるだけ小さくしておきましょう。

脱走とケガを防ぐ

留守番中にケージから出てしまうと、家具のすきまに入り込んだり、電気コードをかじったりする危険があり、帰宅するまで誰も気づけません。

扉や屋根のロックに加えて、ケージのつなぎ目にゆるみがないか、上によじ登れる足場になる物がないかを出発前に確認しておきましょう。

回し車にぐらつきがないか、足を挟みそうなすきまがないかも見ておくと、飼い主がいないあいだのケガを防ぎやすくなります。

出発前のチェックリスト

項目確認すること
水ボトル2本とも水が出る、飲み口が床材に埋もれていない
餌ペレットを多めに入れた、生ものは片付けた
掃除トイレと汚れた床材だけ交換した
ケージ扉と屋根のロック、つなぎ目のゆるみ、足場になる物
室温エアコンの運転モードと設定温度、センサーとタイマーの設定
連絡何かあったときに様子を見に来てもらえる人

このチェックリストを紙に書いてケージの近くに貼っておくと、出発の直前でも確認の抜けを防ぎやすくなります。

2泊の留守番を予定していて、どの項目にも不安が残る場合は、無理に留守番で乗り切ろうとせず、1回だけでも誰かに様子を見に来てもらう手配を考えてみてください。

中日に1回、水が出ているかと室温を確かめてもらうだけでも、留守番中に起きやすいトラブルの多くに対処できるようになります。

留守番中の温度管理

白い布の上に座るジャンガリアンハムスター

留守番の成否を大きく左右するのが、不在のあいだの温度管理です。

飼い主がいれば暑さや寒さに気づいてすぐにエアコンを調整できますが、留守番中はそれができないため、出かける前の設定と置き方で、室温が大きく動かない状態を作っておく必要があります。

室温20〜26℃・湿度40〜60%を目安にする

ハムスターの飼育に適した温度と湿度は、動物病院の公開情報で温度20〜26℃、湿度40〜60%とされています。

別の動物病院では理想の温度を20〜24℃、湿度を45〜55%としており、病院によって示す幅に少し違いがあるため、20℃台の前半から半ばを中心に保てると、どちらの目安にも収まりやすくなります(けい動物医療センター「ハムスターの飼い方」)。

エアコンの設定温度は「何度にすればよい」と一律に決めるより、ケージの近くに置いた温度計がこの範囲に収まるように、部屋の広さや日当たりに合わせて調整していくのが確実です。

温度計はケージの近くに置く

エアコンのリモコンや壁の温度計に表示される数字は、部屋の中で測っている場所の温度であり、ケージの周りの温度と一致するとは限りません。

冷たい空気は下にたまり、暖かい空気は上にたまりやすいため、同じ部屋でも床の近くと棚の上とでは数℃の差が出ることがあります。

温度計と湿度計は、ケージのすぐ横の、ハムスターがいる高さに置くようにすると、実際にハムスターが感じている環境に近い数字を確かめられます。

最高温度と最低温度を記録できるタイプを選べば、帰宅したときに留守番中の温度の動きを振り返ることができ、次回の設定の見直しにも役立ちます。

1日の温度差を小さくする

けい動物医療センターは、1日の温度変化が10℃以上あるとハムスターの健康に影響を与えると説明しています。

たとえば、昼間は日差しで室温が28℃まで上がり、夜はエアコンが切れて18℃まで下がるような部屋では、どちらの温度も一瞬なら耐えられる範囲に見えても、差が10℃に達してしまいます。

日中の不在が長い家庭ほど、昼と夜の差が大きくなりやすいため、エアコンを連続運転にして、朝から夜まで同じくらいの温度を保てるようにしておきましょう。

エアコンの設定で気をつけること

エアコンをつけていても、設定の仕方によっては留守番中に止まったり、ケージに負担をかけたりすることがあります。

人感センサーと切タイマーを止める

人の動きを感じて運転を弱めたり止めたりする人感センサーや、一定時間で運転が止まる切タイマーが働いていると、飼い主が出かけたあとにエアコンが止まってしまうことがあります。

出かける前にリモコンの表示を確かめ、センサーやタイマーの機能が入っていないかを確認しておきましょう。

機種によっては、省エネのために一定時間で運転を弱める機能や、決まった時刻に運転を切り替えるタイマー機能が初期設定で入っていることもあるので、取扱説明書で自宅のエアコンの設定を一度見直しておきましょう。

風がケージに直接当たらないようにする

エアコンの風が直接ケージに当たると、室温が適温でもケージのなかだけが冷えすぎたり、乾燥しすぎたりすることがあります。

風向きを上向きや壁側に設定するか、ケージの位置を吹き出し口の正面から外して、部屋全体の空気が穏やかに回る状態を作るのが理想です。

季節ごとの留守番の注意点

同じ留守番でも、季節によって気をつけるポイントは大きく変わります。

ここでは、夏と冬に加えて、見落とされやすい梅雨と春・秋の注意点を順に確認していきます。

夏は室温の上がりすぎを防ぐ

夏の留守番でもっとも避けたいのは、室温が27℃を超えるような状態が続くことです。

締め切った部屋は、エアコンを止めると日中にあっという間に室温が上がってしまうため、夏の留守番では短い外出でもエアコンを止めずに出かけることを基本にしましょう。

窓から差し込む日差しは部屋全体の温度を押し上げるので、遮光カーテンやすだれで日差しを遮っておくと、エアコンの効きもよくなります。

アルミや陶器でできたひんやりグッズをケージに入れておくと、ハムスターが自分で涼しい場所を選べるようになりますが、これはあくまでエアコンを補う道具として考えてください。

保冷剤をケージのなかに入れると、かじって中身を口にしたり、結露で床材が濡れたりすることがあるため、使う場合はタオルで包んでケージの外側に置くようにします。

冬は冷え込みと疑似冬眠に気をつける

冬の留守番では、夜から明け方にかけての冷え込みに注意が必要です。

疑似冬眠が起こるおそれのある温度として、吉祥寺エキゾチック動物病院は10℃を下回る場合を、けい動物医療センターは5℃以下を挙げており、いずれにしても室温が1桁台まで下がる状態は避けたいところです。

ペット用ヒーターを使うなら、部屋をエアコンで暖めることを前提にして、ヒーターはケージの底面の半分ほどにとどめ、残りの半分を暖かくない場所として空けておくと、ハムスターが体に合う位置を自分で選べます。

巣箱のなかに床材や巣材を少し多めに入れておくと、ハムスターが自分で潜り込んで暖を取れるようになります。

暖房を使う冬は空気が乾燥しやすいので、湿度計の数字が40%を大きく下回るようなら、加湿器を使うなどして湿度も整えておきましょう。

梅雨は湿気とにおいに気をつける

梅雨の時期は、気温がそれほど高くなくても湿度が上がり、床材が湿ってにおいがこもりやすくなります。

湿度が高い状態が続くとダニやカビが発生しやすくなるため、エアコンの除湿運転や除湿機を使って、湿度を60%前後までに抑えることを意識しましょう。

ペレットも湿気を吸うと傷みやすくなるので、袋の口をしっかり閉じ、留守番中にケージに入れておく分も普段より少しこまめに入れ替えるのがおすすめです。

梅雨の留守番では、出かける前にトイレ砂と湿った床材を取り除いておくだけでも、帰宅したときのにおいやケージの湿っぽさがかなり変わります。

雨の日は窓を閉め切ることが多く、部屋の空気がこもりやすいので、エアコンの送風や除湿を組み合わせて、空気がゆるやかに動く状態を作っておくとよいでしょう。

春と秋は朝晩の冷え込みに備える

春と秋は冷暖房を使わずに過ごせる日が多い反面、日中と朝晩の気温差が大きくなりやすい季節です。

晴れた日の昼間は窓からの日差しで室温が上がり、夜になると急に冷え込むこともあるため、1日の温度差が10℃を超えないか、最高・最低温度を記録できる温度計で確かめておくと、留守番中の室温の動きがつかめます。

エアコンをつけずに出かける日でも、天気予報で最高気温と最低気温を確認し、冷え込みそうな日は暖房を、暑くなりそうな日は冷房を入れてから出かけるようにしましょう。

帰宅したら確認すること

留守番のあとは、ハムスターが夕方以降に起きてきたタイミングで、様子とケージの状態をひととおり見ておきましょう。

毎日の帰宅後に同じ順番で確認していると、普段との違いに気づきやすくなり、泊まりがけの留守番のあとにも変化を見分けやすくなります。

水と餌の減り方を見る

給水ボトルは、朝に水を入れた位置にマスキングテープなどで印をつけておくと、帰宅したときにどれくらい飲んだかがひと目で分かります。

水位がほとんど変わっていないときは、飲み口の詰まりで水が出ていなかった可能性があるので、すぐに水が出るかを確かめ、必要ならボトルを取り替えましょう。

反対に、普段より極端に減っている場合は、ボトルからの漏れで床材が濡れていないかを確認します。

床材が濡れたままになっていると、体が冷えたりケージのなかの湿度が上がったりするので、濡れた部分はその場で取り除いて乾いた床材に替えておきましょう。

餌については、ハムスターが巣箱に運んで貯めている分があるため、餌入れの減り方だけで食欲を判断せず、数日単位で「いつもと同じくらい減っているか」を見ていくのがコツです。

巣箱のなかを毎日のぞく必要はありませんが、週に1回程度の掃除のときに貯めている餌の量を見ておくと、食べている量の目安がつかみやすくなります。

糞とお尻まわりを見る

RSPCAは、食べる量が減ったとき、糞が湿っているとき、お尻のまわりが汚れているときは、すぐに獣医師に相談するよう呼びかけています。

帰宅したらトイレや床材の上の糞を見て、数や大きさ、硬さがいつもと変わっていないかを確かめましょう。

ハムスターが回し車に乗ったり餌を食べたりしている姿を見かけたら、そのついでにお尻のまわりの毛が濡れていたり汚れていたりしないかもさりげなくチェックします。

こうした確認を習慣にしておくと、普段の状態が頭に入るため、いつもと違う様子に早く気づけるようになります。

余裕のある日は、キッチンスケールで体重を量って記録しておくと、泊まりがけの留守番のあとに体重が落ちていないかを数字で比べられるようになります。

あわせて、温度計に残った最高温度と最低温度も書き留めておけば、どの季節にどの設定で留守番させると室温が安定するのかが分かり、次の外出の準備に生かせます。

いつもと違う様子があれば動物病院に相談する

留守番のあとに次のような様子が見られたら、翌朝まで待たずに、かかりつけの動物病院へ相談してください。

  • 水や餌がほとんど減っていない
  • 糞が柔らかい、お尻のまわりが濡れている
  • 体が冷たく、触ってもほとんど動かない
  • 口を開けて呼吸している、ぐったりしている

特に、留守番中に室温が高くなったり低くなったりしていたことが温度計の記録で分かった場合は、見た目の変化が小さくても、その温度の状況を伝えて相談するようにしましょう。

体が冷えて動かないときに慌てて急激に温めるのは負担になることがあるため、自己判断で対処を続けるより、まず病院に電話して指示を受けるほうが確かです。

小動物を診てもらえる病院は地域によって限られることもあるので、診療時間や休診日、夜間の連絡先を普段から確かめておくと、いざというときに迷いません。

留守番が難しいときはペットシッターに頼む方法もある

真夏や真冬に2泊の予定が入ったときや、急な出張で帰宅の見通しが立たないとき、そして近くに頼める家族や知人がいないときは、ペットシッターに自宅へ来てもらう方法があります。

ハムスターは住み慣れたケージのまま過ごせるので、移動の負担をかけずに、水が出ているかの確認や餌の補充、トイレの掃除、室温のチェックといったお世話を任せられます。

ペットシッターがどのようなお世話をしてくれるのかは、ペットシッターは何をする?仕事内容を徹底解説で詳しく紹介しています。

ペットシッタープレミアムステージは、ペットシッターの店舗を探せる検索サイトで、ペットの種類ごとに対応している店舗を調べられます。

対応エリアや訪問できる時間帯、サービスの内容は店舗ごとに異なるため、気になる店舗が見つかったら、各店舗のホームページから問い合わせて、自宅が対応エリアに入っているかを確かめてください。

ハムスターの場合は、活動を始める夕方以降に訪問してもらえると、起きて動いている姿を見てもらいやすく、食べ具合や体の様子も伝えてもらいやすくなります。

初めて依頼する場合は、ケージの場所や給水ボトルの癖、エアコンの操作方法、かかりつけの動物病院の連絡先を、打ち合わせのときに実際の部屋で伝えておくと、普段のお世話に近い形で進めてもらえます。

1泊の留守番でも、真夏に1回だけ訪問して室温と水を確かめてもらうといった短い依頼ができるかどうかは、店舗によって対応が分かれるため、希望する訪問の回数と時間帯を具体的に伝えて相談してみましょう。

返事をもらったら、ハムスターの扱いについて具体的に説明してくれるか、こちらの質問にどこまで答えてくれるかも、依頼先を決めるときの材料にしてみてください。

問い合わせのときには、ハムスターのお世話の経験があるか、給水ボトルと室温をどのように確認してくれるか、訪問後にどのような形で報告をもらえるかを聞いておくと、依頼先を比べる手がかりになります。

料金は店舗によって異なり、ペットシッタープレミアムステージのトップページでは「各ペットの基本料金」に「頭数ごとの追加料金」「延長料金」「往復の交通費」を加える計算の考え方が案内されています。

繁忙期や時間外の割増、初回の登録料がかかることもあるので、見積もりの段階で合計額と追加料金の条件を確認しておきましょう。

料金の考え方は、ペットシッターの料金相場|選び方と注意点を解説でもまとめています。

定期的に家を空ける仕事をしている場合は、毎回同じ店舗に頼めるかどうかも確認しておくと、ハムスターの普段の様子を知っている人にお世話を続けてもらえるので、報告の内容からも小さな変化に気づいてもらいやすくなります。

急な予定に備えるなら、実際に頼む前に一度問い合わせと顔合わせを済ませておくと、いざというときに初めての相手を探す手間がかからず、スムーズに依頼できます。

ハムスターの留守番に関するよくある質問

ペットシッターFAQ

最後に、ハムスターの留守番について飼い主さんからよく聞かれる疑問をまとめました。

ハムスターは留守番中に寂しがる?

RSPCAの飼育ガイドでは、ハムスターは一般に単独で暮らす動物で、ほかの個体に対して攻撃的になることもあると紹介されています(RSPCA「Hamsters」)。

犬のように飼い主の姿が見えないことで強い不安を示す動物とは性質が異なり、昼間は巣箱で眠っている時間が長いため、日中の留守そのものを必要以上に心配しなくてよいと考えられます。

ハムスターにとって負担になりやすいのは、飼い主の不在よりも、暑さや寒さ、水が飲めない状態、急な環境の変化のほうです。

留守番のあいだの寂しさを気にかけるよりも、帰宅後に落ち着いて過ごせる静かな環境を整えることに気を配ってあげましょう。

エアコンをつけたままにするのは電気代が心配

夏や冬に毎日エアコンをつけたまま出かけると、電気代が気になるのは自然なことです。

ただ、ハムスターの留守番では室温を保てるかどうかが体調に直結するため、エアコンを止めて節約するより、エアコンの効率を上げて負担を減らす方向で工夫するのがおすすめです。

たとえば、遮光カーテンで窓からの日差しや冷気を遮る、エアコンのフィルターを定期的に掃除する、ケージを置く部屋のドアを閉めて冷暖房する空間を小さくするといった方法があります。

電気代の目安は、住まいの断熱性や部屋の広さ、エアコンの性能、契約している料金プランによって大きく変わるため、気になる場合は電力会社の使用量の表示などで自宅の実績を確かめてみてください。

保冷剤やヒーターだけで乗り切れる?

保冷剤やひんやりグッズ、ペット用ヒーターは、ケージのなかに涼しい場所や暖かい場所を作る道具で、部屋全体の温度を保つものではありません。

真夏に締め切った部屋では、保冷剤は時間がたつと溶けてしまい、その後は室温がそのままケージのなかにも伝わってしまいます。

ヒーターも、部屋そのものが冷え切っていれば、温まっているのはヒーターの上だけという状態になり、ケージのほかの場所は寒いままです。

こうしたグッズはエアコンで室温を保ったうえで、ハムスターが自分で居心地のよい場所を選べるようにする補助として使うと効果的です。

留守番のあいだだけケージを涼しい部屋へ移してもいい?

夏に日当たりのよい部屋から北側の涼しい部屋へ移すなど、留守番に合わせてケージの場所を変えたくなることがあります。

ただ、ハムスターは部屋のにおいや音、明るさの変化にも敏感なため、出発の直前に置き場所を変えると、慣れない環境のまま留守番に入ることになってしまいます。

季節に合わせて置き場所を変える場合は、留守番の数日前までに移動を済ませ、新しい場所で落ち着いて餌を食べ、回し車で遊んでいるかを確かめてから出かけるようにしましょう。

移した先の部屋でも、温度計をケージの横に置いて、日中と夜の温度が20℃台に収まっているかを何日か見ておくと、その部屋が留守番に向いているかを判断できます。

エアコンのない部屋へ移す場合は、涼しく感じても日中の最高温度が上がりすぎないか、冬は夜間に冷え込みすぎないかを、一度の確認で決めずに数日かけて見極めるのがおすすめです。

まとめ

ハムスターは夜行性で昼間は眠って過ごす時間が長いため、仕事や買い物といった日中の外出は、留守番として大きな問題になりにくいと考えられます。

泊まりがけの留守番は、1泊2日なら水と室温、餌、ケージの戸締まりが整っていれば対応できることが多く、2泊を超える場合は誰かに様子を見に来てもらう前提で考えましょう。

留守番の長さを決めるのは泊数そのものではなく、水を飲める状態、室温と湿度、食べ物の傷みにくさ、体調の変化に気づけるかという4つの条件です。

出かける前には給水ボトルから実際に水が出るかを確かめ、ケージは窓際やエアコンの吹き出し口、家電の近くを避けた静かな場所に置いておきます。

室温は20〜26℃、湿度は40〜60%を目安に、ケージのすぐ横に置いた温度計で確かめ、1日の温度差が10℃を超えないようにエアコンを連続運転にしておくと、季節を問わず環境が安定しやすくなります。

夏は室温の上がりすぎ、冬は冷え込みによる疑似冬眠、梅雨は湿気、春と秋は朝晩の冷え込みと、季節ごとに気をつける点が変わることも覚えておきましょう。

帰宅したら、水と餌の減り方、糞とお尻まわりを確かめ、いつもと違う様子があれば早めにかかりつけの動物病院に相談することが大切です。

準備と確認を毎日の習慣にしておけば、外出のたびに不安になることなく、ハムスターとの暮らしを続けやすくなります。

この記事を書いた人

佐藤弘幸

Written by

佐藤弘幸

アイノス本部代表。日本最大手のペットシッターフランチャイズの最高責任者の経験を経て、
ペットシッターに関する記事執筆を担当。
自身も柴犬やキンクマと暮らした経験から、飼い主目線での情報発信を心がけています。
保有資格:ペットシッター士