旅行や出張、帰省などで家を空ける予定ができたとき、「鳥のお世話をどうしよう」と頭を抱える飼い主さんは少なくありません。
犬や猫に比べると鳥を預かってくれる場所は限られていて、知人に頼もうにも、鳥の扱いに慣れた人がすぐに見つかるとは限らないからです。
そこで選択肢に入ってくるのが、飼い主さんの自宅に来てお世話をしてくれるペットシッターです。
鳥は住み慣れた部屋のまま過ごせるので、移動や環境の変化を避けられるという点で、ペットシッターは鳥と相性のよい預け方のひとつといえます。
一方で、放鳥をしてくれるかどうかや薬を飲ませてもらえるかどうかは店舗によって方針が分かれ、依頼してから「思っていた内容と違った」と気づくこともあります。
この記事では、ペットシッターに鳥のお世話を頼むかどうかの判断から、してもらえること、選び方、依頼前の準備までを順を追って整理しました。
法令や手続きに関わる部分は、環境省や厚生労働省などの公的な情報と、e-Govで公開されている条文をもとにしています。
文鳥やインコなど種類ごとの細かな飼い方ではなく、鳥を飼っている方が共通して押さえておきたいポイントに絞ってお伝えします。
依頼前に決めておくことがはっきりすれば、留守のあいだの不安はぐっと小さくなります。
目次
鳥のお世話をペットシッターに頼むという選択肢

ペットシッターとは、飼い主さんが留守にしているあいだ、自宅を訪問してペットのお世話をしてくれるサービスのことです。
犬の散歩や猫のお世話を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、インコや文鳥、カナリアといった小鳥のお世話に対応している店舗もあります。
ここでは、鳥の場合にペットシッターを選ぶ意味と、ほかの預け先との違い、向いているケースと向いていないケースを見ていきます。
鳥は住み慣れた部屋で過ごせることに意味がある
鳥は音や光、においといった周りの変化に敏感な動物で、見慣れない場所に連れて行かれるだけで落ち着かなくなる子もいます。
ペットホテルや知人宅に預ける場合は、キャリーに入れて移動し、知らない部屋で知らない音を聞きながら数日を過ごすことになります。
ペットシッターに頼む場合は、鳥はいつものケージのまま、いつもの部屋で、いつもの時間帯に過ごすことができます。
移動の負担がなく、生活のリズムを大きく崩さずに済むことが、鳥をペットシッターに任せるいちばんの理由です。
また、ケージや止まり木、おもちゃ、ごはんの器などをそのまま使えるので、「預け先に何を持っていくか」を考える手間もかかりません。
複数の鳥を飼っている場合も、ケージごと移動させる必要がないため、一羽ずつ預け先を探す負担が生じにくいという面があります。
ペットホテル・知人・動物病院との違い
鳥を留守中に任せる方法には、ペットシッターのほかにペットホテル、知人や家族、動物病院の預かりなどがあります。
それぞれの特徴を並べると、次のようになります。
| 預け方 | 鳥が過ごす場所 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| ペットシッター | 自宅 | 移動がなく、いつもの環境で過ごせる。お世話は訪問している時間帯だけ |
| ペットホテル | 施設 | スタッフが近くにいる時間が長い。移動と環境の変化がある |
| 知人・家族 | 自宅または知人宅 | 気心が知れている。鳥の扱いに慣れているかは人による |
| 動物病院の預かり | 病院 | 体調面の相談がしやすい。鳥を預かっていない病院もある |
ペットホテルは、スタッフが施設にいる時間が長いぶん、急な体調の変化に気づいてもらいやすいという面があります。
ただし、鳥の受け入れをしていないホテルもあり、鳥に詳しいスタッフがいるかどうかは施設ごとに確かめる必要があります。
知人や家族に頼む方法は費用を抑えやすい一方で、鳥の扱いに慣れていない人だと、ケージの扉の開け閉めや体調の見分け方に不安が残ります。
動物病院の預かりは、持病のある鳥や体調が気になる鳥の場合に選択肢になりますが、預かりの受け付けの有無や条件は病院ごとに異なります。
ペットシッターとペットホテルの違いをもう少し詳しく知りたい方は、ペットシッターとペットホテルどっち?違いと選び方を解説もあわせて参考にしてください。
ペットシッターが向いているケースと向かないケース
ペットシッターが向いているのは、たとえば次のようなケースです。
- 環境の変化に敏感で、移動や知らない場所が苦手な鳥
- 複数の鳥を飼っていて、ケージごと移動させるのが難しい
- 近くに鳥を預かってくれるホテルや病院が見つからない
- 留守のあいだも写真や報告で様子を知りたい
反対に、ペットシッターだけでは対応が難しいケースもあります。
ペットシッターは訪問している時間帯しか鳥のそばにいられないため、体調を崩していて頻繁に様子を見る必要がある鳥の場合は、動物病院の預かりのほうが向いていることがあります。
薬を毎日決まった時間に飲ませなければならない鳥も、あとで触れるとおり店舗によって対応が分かれるので、依頼の前に相談が欠かせません。
また、人の手にまったく慣れていない鳥や、知らない人が部屋に入るだけで強く怖がる鳥は、事前の顔合わせで様子を見てから判断することになります。
どの預け方にも得意なことと苦手なことがあるので、鳥の性格や体調、留守の長さを合わせて考え、いちばん負担の少ない方法を選ぶという姿勢が大切です。
鳥の留守番はどこまでできる?依頼を考える目安

ペットシッターに頼むかどうかを決めるには、まず「鳥だけで留守番させても大丈夫な範囲」を知っておく必要があります。
ただし、鳥が何日まで留守番できるかについて、法令や公的な基準で決まった日数はありません。
鳥の種類や年齢、体調、季節、部屋の環境によって大きく変わるため、ここでは日数で線を引くのではなく、判断するときに見ておきたい条件を整理します。
日帰り・1泊・2泊以上で考え方が変わる
日帰りの外出であれば、朝にごはんと水をしっかり用意し、室温を整えておけば、鳥だけで過ごせることが多いでしょう。
ただし、帰りが深夜になる場合や、夏や冬で室温が大きく変わる日は、日帰りでも注意が必要になります。
1泊の外出になると、ごはんや水が汚れたりこぼれたりして足りなくなるリスクや、エアコンが止まったときに誰も気づけないリスクが出てきます。
飼い主さんの体験談には、ごはんと水の器を複数の場所に置いて1泊までにとどめているという声もありますが、これはあくまで個々の工夫であり、どの鳥にも当てはまる目安ではありません。
2泊以上になると、ごはんと水の交換、ケージの掃除、体調の確認を誰かにしてもらう前提で考えるのが現実的です。
環境省の「ペット動物販売業者用説明マニュアル(鳥類)」も、一般的に鳥は飢餓に対する抵抗力がないため、餌を切らさない管理が特に大切だと説明しています。
「たぶん大丈夫」で出かけるよりも、留守が1泊を超えそうな時点で、ペットシッターを含めた預け先を検討し始めると慌てずに済みます。
季節と室温で判断が変わる
留守番をさせられるかどうかは、日数だけでなく季節によっても変わります。
夏は締め切った部屋の温度が上がりやすく、冬は暖房が止まると急に冷え込むため、同じ1泊でも、春や秋と真夏や真冬とでは鳥にかかる負担が違います。
鳥にとって過ごしやすい温度は種類や年齢で異なり、同じ種類でも若い鳥と高齢の鳥とでは寒さへの強さが違うため、ひとつの数字で言い切ることはできません。
いつも通っている動物病院で、自分の鳥に合った室温の目安を聞いておくと、留守中の設定を決めるときの基準になります。
エアコンをつけたまま出かける場合でも、停電やブレーカーが落ちるといった思わぬ出来事で止まってしまう可能性はゼロではありません。
ペットシッターに訪問してもらえば、部屋の温度や空調が動いているかを人の目で確かめてもらえるので、季節の変わり目や真夏・真冬の外出ほど、訪問してもらう意味が大きくなります。
温湿度計を鳥のケージの近くに置いておくと、シッターが部屋の状態を数字で確認でき、報告を受ける側も判断しやすくなります。
換羽期・高齢・持病のある鳥は早めに相談する
鳥の状態によっては、短い留守でも慎重に考えたほうがよい場合があります。
たとえば換羽期(古い羽が抜けて新しい羽に生え替わる時期)は、先ほどの環境省のマニュアルでも通常の2倍の蛋白量が必要とされる時期で、普段より元気がなかったり寒がったりする鳥もいます。
高齢の鳥や、持病があって通院している鳥も、体調の変化が急に表れることがあるため、留守中の見守りを手厚くしておきたいところです。
また、発情期には攻撃的になったり、卵を産んだりする鳥もいて、普段と違う様子にシッターが戸惑うこともあります。
こうした時期に留守にする場合は、依頼の前に、かかりつけの動物病院に「この時期に家を空けても大丈夫か」を相談しておくと、預け方を決めやすくなります。
体調が不安定で、1日に何度も様子を見る必要がある場合は、ペットシッターではなく動物病院での預かりを選ぶほうがよいこともあります。
反対に、体調が安定していて環境の変化が苦手な鳥なら、自宅で過ごせるペットシッターのほうが負担を抑えられる場合もあるので、獣医師の意見を聞いたうえで選ぶのがおすすめです。
いずれの場合も、気になる様子があるときは自己判断で済ませず、出発の前に動物病院で相談してください。
ペットシッターが鳥のお世話でしてくれること

ペットシッターに鳥のお世話を頼んだとき、どんなことをしてもらえるのかを具体的に見ていきます。
基本的なお世話の内容は多くの店舗で共通していますが、放鳥や投薬のように店舗ごとに方針が分かれる項目もあります。
1回の訪問は60分前後を基本のコースとしている店舗もありますが、時間の設定や内容は店舗によって異なるため、依頼前に確認しておきましょう。
ペットシッターの仕事内容全般については、ペットシッターは何をする?仕事内容を徹底解説でも詳しく紹介しています。
ごはんと水の交換
訪問したシッターが最初に取りかかるのが、ごはんと水の交換です。
鳥はシードやペレット、青菜、ボレー粉など、飼い主さんによって与えているものがさまざまなので、普段と同じ種類のごはんを、同じ量で、同じ器に用意してもらうことが大切になります。
シードの場合は、器に殻が溜まっていると中身が残っているように見えることがあるため、殻を吹き飛ばして実際の残量を確認してもらうよう伝えておくと、食べ残しの見落としを防げます。
水は飲み水用と水浴び用を分けている家庭もあるので、どちらをどのように替えるのかも事前に共有しておきましょう。
青菜などの生ものは傷みやすいため、置いておく時間や、食べ残しを片付けるタイミングも決めておくと、シッターが迷わずに済みます。
ケージの掃除とフンのチェック
ケージの底に敷いている紙の交換や、止まり木まわりの汚れ落としも、シッターが行う基本的なお世話のひとつです。
掃除のついでにフンの状態を見ておくことは、鳥の体調を知るうえで大切な手がかりになります。
フンの量や色、形、水っぽさがいつもと違うときは、体調の変化のサインであることもあるため、普段の様子を知っているかどうかで気づけるかが変わります。
そのため、シッターにはいつものフンの写真を見せておいたり、「このくらいの量なら普段どおり」と伝えておいたりすると、変化に気づいてもらいやすくなります。
床材の種類や、ケージのトレーの外し方なども家庭ごとに違うので、初回の打ち合わせで実際にやって見せておくと、当日の迷いが減ります。
室温・湿度・明るさの確認
鳥は温度の変化に敏感なので、部屋の温度や湿度、エアコンやヒーターが動いているかを確認してもらうことも、お世話の大切な一部です。
ケージを覆うカバーを使っている家庭では、朝に外して夜にかけるといった明るさの管理を頼むこともあります。
ただし、シッターが訪問するのは1日のうち限られた時間なので、夜にカバーをかけたり朝に外したりする時間を、普段どおりに合わせることは難しい場合があります。
照明をタイマーで管理したり、カバーの扱いをシッターと相談して決めたりしておくと、生活リズムの乱れを抑えられます。
温湿度計の数値を報告に含めてもらうよう頼んでおけば、外出先からでも部屋の状態を把握できます。
写真や動画での様子の報告
お世話が終わったあとにLINEやメールで報告をしてくれる店舗もあります。
写真や短い動画を添えてくれる店舗もあり、離れていても鳥が元気にしているか、ごはんを食べているかを自分の目で確かめられるのは心強いものです。
報告に含めてほしい内容は、たとえば「ごはんの減り具合」「フンの様子」「室温」「鳴き声や動き」などで、あらかじめ項目を決めておくと、毎回の報告を比べやすくなります。
普段と違う様子があったときに、すぐに電話で知らせてほしいのか、報告の文面でよいのかも決めておきましょう。
放鳥は店舗によって方針が分かれる
放鳥とは、鳥をケージから出して部屋の中で自由に飛ばせたり遊ばせたりすることです。
毎日放鳥している鳥の場合、留守中も放鳥してほしいと考える飼い主さんは多いでしょう。
しかし、放鳥は窓や扉からの逃げ出しや、家具への衝突、ケージに戻せなくなるといった事故につながりやすいため、行わない方針の店舗もあります。
放鳥に対応している店舗でも、「自分からケージに戻れる」「飼い主以外の人の手に乗ってケージに入れる」といった条件を設けている例があります。
放鳥を希望する場合は、依頼の前に店舗の方針を確認し、対応してもらえないときは、ケージの中で退屈しないようおもちゃを増やすなどの工夫で補いましょう。
投薬は依頼前に相談しておく
薬を飲ませている鳥の場合は、留守中の投薬をどうするかを、依頼の前に相談して決めておく必要があります。
獣医師法第17条は、獣医師でなければ飼育動物の診療を業務としてはならないと定めていて、獣医師法施行令第2条はその対象にオウム科、カエデチョウ科、アトリ科の全種を挙げています。
また、愛玩動物看護師法は、獣医師の指示のもとで行う「診療の補助」を愛玩動物看護師の業務と位置づけていて、同法の「愛玩動物」にもこの3つの科の鳥が含まれます(環境省 愛玩動物看護師法Q&A)。
同じQ&Aは、診療の補助に含まれる行為の例として、輸液剤の注射や採血と並んで「投薬」を挙げています。
ただし、飼い主に代わってシッターが薬を与えることがこれに当たるかどうかまでは、Q&Aでは示されていません。
セキセイインコや文鳥、カナリアなど、家庭で飼われている小鳥の多くがこれらの科に入るため、投薬の扱いは犬や猫と同じく慎重に考えるべき領域だといえます。
実際に、愛玩動物看護師が獣医師の指示書にもとづいて投薬を行う形をとっている店舗や、投薬そのものを受けていない店舗など、対応はさまざまです。
どの範囲の行為をシッターに頼めるかは、薬の種類や与え方によっても変わるため、かかりつけの動物病院と依頼先の店舗の両方に相談して決めてください。
鳥に対応できるペットシッターの選び方

ペットシッターは犬や猫を中心に扱っている店舗が多く、鳥のお世話に対応しているかどうかは店舗によって大きく異なります。
「ペットシッターなら鳥も見てもらえるだろう」と考えず、鳥に対応できるかを一つずつ確かめていくことが、選ぶときの基本です。
ここでは、鳥のお世話を頼むシッターを選ぶときに確認したい6つのポイントを紹介します。
ペットシッター選び全般のポイントは、ペットシッターの選び方|失敗しない8つのポイントでもまとめています。
第一種動物取扱業の登録を確かめる
ペットシッターとして営業するには、動物の愛護及び管理に関する法律にもとづく第一種動物取扱業(動物を扱う事業者に必要な都道府県知事などへの登録)が必要です。
環境省は、第一種動物取扱業のうち「保管」の業種に当たる例として、ペットホテルなどと並んでペットのシッターを挙げています(環境省「第一種動物取扱業者の規制」)。
動物の愛護及び管理に関する法律第10条が登録を定め、第18条は事業所ごとに氏名や登録番号などを記した標識を掲げることを、第22条は事業所ごとに動物取扱責任者を選ぶことを求めています。
そのため、依頼を検討している店舗には、登録番号と、登録している業種に「保管」が含まれているかを確認しておきましょう。
登録番号は店舗のホームページや事業所の標識に記載されていることが多いので、見当たらない場合は問い合わせの際に直接聞いてみてください。
登録は動物を扱う事業者としての前提条件なので、登録があるかどうかは、鳥のお世話の技術とは別に確認しておきたい基本事項です。
鳥の飼育経験と対応できる種類を聞く
鳥のお世話は、犬や猫とは違う知識と手の動かし方が求められます。
ケージの扉を開けるときに鳥が飛び出さないようにする動き、驚かせないための近づき方、フンから体調の変化を読み取る目などは、実際に鳥と暮らした経験があるかどうかで差が出やすい部分です。
問い合わせの段階で、シッター本人に鳥を飼った経験があるか、これまでどんな種類の鳥のお世話をしてきたかを聞いておくと、任せられるかどうかを判断しやすくなります。
小型のインコやフィンチ類は対応していても、大型のインコやオウム、猛禽類は対応していないという店舗もあるため、自分の鳥の種類と大きさを伝えたうえで確認しましょう。
ペットシッターに関する民間の資格を持っているシッターもいますが、資格の有無だけでなく、鳥についての具体的な経験を聞くことが大切です。
事前打ち合わせで自宅と鳥の様子を見てくれるか
鳥のお世話を任せる前に、シッターが自宅を訪問して打ち合わせをしてくれるかどうかも、大切な確認ポイントです。
事前打ち合わせでは、ケージの位置やごはんの保管場所、掃除の方法、エアコンの操作などを実際に見てもらいながら説明できます。
鳥の側にとっても、シッターの顔や声に一度触れておくことで、当日の緊張を和らげる機会になります。
初回の打ち合わせを自宅で行い、お世話の方法や病歴などを聞き取って鳥ごとのカルテを作る店舗もあり、こうした店舗なら引き継ぎの漏れが起きにくくなります。
打ち合わせのときに、シッターが鳥をどのように観察しているか、質問にどう答えてくれるかを見ておくと、相性を判断する材料にもなります。
緊急時の連絡方法と動物病院への対応
留守中に鳥の体調が急に変わったとき、シッターがどう動いてくれるのかは、依頼の前に決めておきたい大切なことです。
確認しておきたいのは、たとえば次のような項目です。
- 異変に気づいたとき、誰にどの方法で連絡するのか
- 飼い主と連絡がつかない場合に、代わりに判断してもらう人を決めておくか
- かかりつけの動物病院へ連れて行ってもらえるか、その場合の費用の扱い
- 夜間や休日に対応している動物病院の情報を共有しておくか
鳥を診療できる動物病院は限られているため、かかりつけ以外の候補もシッターと共有しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
動物病院への付き添いに対応しているかどうかも店舗によって異なるので、事前に聞いておきましょう。
鍵の預け方と報告の方法
ペットシッターに依頼するときは、自宅の鍵を預けることになります。
鍵を預ける方法には、打ち合わせのときに手渡す、キーボックスを使うなどがあり、店舗によって扱いが異なります。
鍵をどのように保管し、お世話が終わったあとにどう返してもらうのかを事前に確認し、預ける鍵の本数も記録しておくと管理しやすくなります。
鍵の預け方や自宅に入ってもらうときの注意点は、ペットシッターの盗難リスクと信頼できる選び方でも詳しく解説しています。
あわせて、訪問のたびにどのタイミングで、どの方法(LINE、メール、専用アプリなど)で報告してもらえるのかも確かめておきましょう。
料金の内訳と万一の取り決めを書面で確かめる
ペットシッターの料金は店舗ごとに異なり、多くの場合、次のような組み合わせで決まります。
【各ペットの基本料金】+【頭数×追加料金】+【延長料金】+往復交通費
これに加えて、繁忙期や早朝・夜間などの時間外は割増料金がかかることがあり、初回に登録料が必要な店舗もあります。
鳥の場合は、ケージの数や鳥の大きさによって料金が変わる店舗もあるため、自分の家の鳥の数とケージの数を伝えたうえで見積もりを出してもらうのが確実です。
料金の考え方をさらに詳しく知りたい方は、ペットシッターの料金相場|選び方と注意点を解説も参考にしてください。
また、鳥が逃げてしまった場合や、ケガや物の破損が起きた場合にどう対応するのか、賠償責任保険に加入しているかどうかも、契約前に店舗へ確認しておきたい項目です。
キャンセル料の規定とあわせて、こうした取り決めは口頭だけで済ませず、契約書や利用規約など書面で確かめておきましょう。
依頼前に準備しておきたいこと

依頼するシッターが決まったら、出発までに準備を進めておきましょう。
鳥のお世話は「いつもと同じ」を再現できるかどうかで、留守中の鳥の落ち着き方が変わります。
ここでは、お世話メモの書き方、用品の準備、部屋の環境づくり、動物病院の情報共有、お試しの訪問という5つの準備を紹介します。
お世話メモに書いておく項目
事前の打ち合わせで口頭で伝えた内容も、当日になるとシッターが細かな部分を思い出せないことがあります。
鳥ごとのお世話の内容を1枚のメモにまとめ、ケージの近くなど目につく場所に置いておくと、引き継ぎの漏れを減らせます。
複数の鳥を飼っている場合は、名前と写真、足輪の色などの見分け方も書き添えておくと、取り違えを防げます。
ごはんの種類と量
ごはんについては、シードやペレットの商品名、1回に入れる量、器の位置、青菜やおやつを与えるかどうかを書いておきます。
「スプーン何杯」「器の線まで」のように、誰が見ても同じ量を用意できる書き方にしておくのがポイントです。
ごはんの袋の保管場所や、開封済みのものから使ってほしいといった細かな希望もメモに入れておくと、シッターが迷わずに済みます。
普段のフンの様子と体重
フンの量や色、形は鳥によって個性があり、普段の状態を知らなければ変化に気づくことはできません。
出発前の数日間のフンの写真を撮っておき、メモと一緒に見られるようにしておくと、シッターが比べる基準になります。
キッチンスケールなどで体重を量っている家庭では、普段の体重と量り方を書いておき、留守中にも量ってもらうかどうかを相談しておきましょう。
体重の変化は見た目だけでは分かりにくいため、普段の数値を共有しておくことが、小さな変化に気づくための手がかりになります。
性格と苦手なもの
臆病で物音に驚きやすい、手に乗るのが好き、特定の色の服を怖がるなど、鳥の性格や苦手なものも書いておきたい情報です。
発情期に気が荒くなる、咬む癖がある、ケージの扉を自分で開けようとするといった注意点も、シッターがけがや逃げ出しを防ぐうえで役立ちます。
好きなおやつや、落ち着かせるときに効果があった声のかけ方なども書いておくと、シッターが鳥との距離を縮めるきっかけになります。
ごはん・床材・予備の用品をそろえる
留守の日数分のごはんに加えて、少し多めの予備を用意しておきましょう。
帰りが予定より遅れることもあるため、ごはんや床材、飲み水用の容器などは余裕を持った量をそろえておくのが基本です。
止まり木や水入れなど壊れやすいものがある場合は、予備を用意しておくと、シッターがその場で交換できます。
用品を置いた場所はメモに書いておき、シッターが家の中を探し回らなくて済むように、1か所にまとめておくと親切です。
室温と明るさを管理しやすくしておく
エアコンやヒーターを使う場合は、設定温度や運転モードをあらかじめ決めておき、シッターが触るべき操作と触らないでほしい操作を分けて伝えておきます。
スマートフォンから操作できるエアコンや温湿度計を使っている家庭なら、外出先から部屋の様子を確かめることもできます。
ケージは直射日光が当たる窓ぎわやエアコンの風が直接当たる場所を避け、温度が安定しやすい位置に置いておくと、訪問の合間の変化を抑えやすくなります。
夜に部屋を暗くする時間や朝に明るくする時間は、照明のタイマーを使うと、シッターの訪問時間に左右されずに生活リズムを保ちやすくなります。
かかりつけの動物病院を伝えておく
鳥を診療できる動物病院は犬や猫に比べて限られているので、かかりつけの病院の名前、電話番号、診療時間、診察券の場所をメモに書いておきましょう。
事情を説明しておけば、留守中にシッターから連絡が入る可能性があることを動物病院に伝えておける場合もあります。
持病がある鳥の場合は、飲んでいる薬や過去の病歴もまとめておくと、万一受診することになったときに状況を正確に伝えられます。
出発の前に健康診断を受けておくと、体調の不安を減らしたうえで留守にできるので、日程に余裕があれば検討してみてください。
お試しの訪問で慣らしておく
長期の旅行の前に、短時間の外出でシッターに一度お世話をしてもらう「お試し」の依頼をしておく方法もあります。
実際にお世話をしてもらうことで、鳥がシッターにどう反応するか、報告の内容が分かりやすいか、伝え漏れがないかを確かめられます。
気になった点があれば本番までに修正できるので、初めて依頼する場合や、臆病な鳥の場合には特に取り入れたい準備です。
お試しの結果を見て、訪問の回数や時間を調整しておけば、本番の留守のあいだも落ち着いて過ごしやすくなります。
鳥のお世話を頼むときに気をつけたいこと

鳥のお世話には、犬や猫とは違う鳥ならではの注意点があります。
飛んで逃げてしまう、ほかのペットに狙われる、人に感染する病気があるといった点は、シッターに任せる前に飼い主さん自身が知っておきたいことです。
ここでは、依頼の前に押さえておきたい4つの注意点を紹介します。
逃げ出しを防ぐ部屋づくり
鳥のお世話でいちばん避けたい事故のひとつが、ケージの扉を開けた瞬間や窓の開け閉めのときに鳥が飛び出し、屋外へ逃げてしまうことです。
動物の愛護及び管理に関する法律第7条第3項は、動物の所有者や占有者に逸走(動物が逃げ出すこと)を防ぐために必要な措置を講じるよう努めることを求めています。
環境省の家庭動物等の飼養及び保管に関する基準も、飼養施設を逸走の防止に配慮した構造とすることや、点検などの管理に努めることを挙げています。
具体的には、ケージのある部屋の窓は閉めて施錠し、換気扇や網戸の破れなど鳥が抜け出せる隙間がないかを出発前に確認しておきましょう。
扉を自分で開けてしまう鳥には、ナスカンなどの留め具でケージの扉を固定しておくと、うっかり開いてしまうリスクを減らせます。
ケージのある部屋のドアを閉めてからケージの扉を開ける、といった出入りの手順も、打ち合わせでシッターと決めておきましょう。
万一逃げてしまったときのために、鳥の写真と特徴をまとめておき、連絡先の警察署や近くの動物病院などを確認しておくことも大切です。
ほかのペットや危ないものを遠ざける
犬や猫など、ほかのペットと一緒に暮らしている家庭では、鳥のケージをほかのペットが近づけない部屋に置いておくことが基本になります。
シッターが訪問していない時間に、猫がケージに飛びついたり、犬が吠え続けたりすると、鳥が驚いてパニックを起こすことがあるからです。
ほかのペットのお世話も同じシッターに頼む場合は、どの順番でお世話をするのか、部屋のドアをどう開け閉めするのかまで共有しておくと事故を防ぎやすくなります。
観葉植物や電気コード、小さな金属部品など、鳥がかじると危ないものも、ケージの周りから片付けておきましょう。
アロマやお香、スプレー類など、においや煙の出るものを留守中に使わないよう、シッターに伝えておくことも忘れないようにしてください。
オウム病など人への感染に配慮する
鳥から人に感染する病気として知られているのが、オウム病です。
厚生労働省によると、オウム病はインコやオウム、ハトなどの糞に含まれる菌を吸い込んだり、口移しでエサを与えたりすることで感染するとされています。
厚生労働省「オウム病」では、鳥の世話をした後に手洗いやうがいをすることや、ケージ内の羽や糞をこまめに掃除することが呼びかけられています。
家庭動物等の飼養及び保管に関する基準でも、動物に触れたり排せつ物を処理したりしたあとは、手指を十分に洗うことが求められています。
シッターが手を洗える場所やタオル、ケージの掃除に使う手袋やマスクを用意しておくと、お世話をする人にとっても鳥にとっても衛生的な環境を保てます。
鳥の体調に気になる様子がある場合は、依頼の前にシッターへ伝えたうえで、動物病院にも相談しておきましょう。
ニワトリやアヒルは家畜としての手続きがある
ニワトリやアヒル、ウズラなどをペットとして飼っている場合は、インコや文鳥とは別の手続きが関わってきます。
家畜伝染病予防法第12条の4は、飼養衛生管理基準が定められた家畜の所有者に、飼養している頭羽数などを毎年都道府県知事へ報告することを求めています。
農林水産省は、この報告について飼養する目的(学術、教育、愛玩、展示等)を問わず必要だとしていて、対象には鶏やあひる、うずらなどが含まれます(農林水産省「飼養衛生管理基準について」)。
こうした鳥のお世話をシッターに頼む場合、飼養衛生管理基準に関する書類の写しの提出を求める店舗もあります。
ニワトリなどのお世話に対応しているかどうかは店舗によって異なるため、依頼の前に鳥の種類を伝えて確認しておきましょう。
鳥のペットシッターによくある質問

最後に、鳥のお世話をペットシッターに頼むときによく寄せられる疑問に答えていきます。
細かな条件は店舗ごとに異なるため、ここで紹介する内容を目安にしながら、依頼先の店舗に具体的に確認してください。
何日前までに依頼すればいい?
初めて依頼する店舗の場合は、事前打ち合わせの日程も必要になるため、余裕を持って早めに問い合わせるのがおすすめです。
初回の打ち合わせのために、利用予定日の1〜2週間前までに連絡してほしいとしている店舗もあります。
年末年始やお盆、大型連休などは依頼が集中しやすいので、旅行の予定が決まった時点で問い合わせておくと、希望の日程で引き受けてもらいやすくなります。
2回目以降の依頼であれば打ち合わせを省略できる場合もありますが、鳥の体調や飼育環境が変わったときは、あらためて情報を共有しましょう。
1日に何回来てもらうのがいい?
訪問の回数は、留守の長さや鳥の数、季節、体調によって考えます。
1日1回の訪問でごはんと水の交換、掃除、体調の確認を行う形のほかに、1日2回の訪問のコースを用意している店舗もあります。
真夏や真冬で室温の変化が心配な時期、体調に不安がある鳥、青菜など傷みやすいごはんを与えている場合は、訪問の回数を増やすことも検討しましょう。
長期の留守で1日おきの訪問にすると、ごはんや水の汚れ、体調の変化に気づくのが遅れるおそれがあるため、毎日の訪問を基本に考えると判断しやすくなります。
回数を増やすと料金も上がるので、見積もりを取りながら、鳥にとって必要な回数を店舗と相談して決めてください。
鳥が何羽もいても頼める?
複数の鳥を飼っている場合でも、お世話を引き受けている店舗はあります。
ただし、ケージの数や鳥の数によって、1回の訪問にかかる時間や料金が変わることが一般的です。
一番大きいケージを基本料金の基準にしている店舗や、頭数ごとに追加料金を設けている店舗など、計算の仕方もさまざまです。
そのため、鳥の数とケージの数、それぞれのケージの大きさを伝えて見積もりを取るのが確実です。
鳥ごとにごはんの内容や注意点が違う場合は、ケージごとにメモを貼っておくと、シッターが取り違えずにお世話できます。
大型のインコやオウムも頼める?
大型のインコやオウムは、くちばしの力が強く、知能が高いぶん、人によって態度を変えることもあります。
そのため、小鳥は引き受けていても、大型の鳥は対応していない店舗や、経験のあるシッターに限っている店舗があります。
大型の鳥の場合は、種類、体の大きさ、咬む癖の有無、飼い主以外の人への反応を正直に伝えたうえで、引き受けてもらえるかを確認しましょう。
事前打ち合わせで実際に鳥の様子を見てもらい、シッターが無理なく扱えるかを一緒に判断すると、当日のトラブルを避けやすくなります。
大型の鳥はケージも大きく重いため、掃除のときにトレーを引き出す方法や、ケージの扉のロックの仕組みも、打ち合わせのときに実際に操作して見せておくと引き継ぎがスムーズです。
長生きする種類も多いので、今回の留守だけでなく、今後も継続して頼めるシッターかどうかという視点で店舗を選ぶと、鳥にとっても顔なじみの人が増えていきます。
ペットシッタープレミアムステージで鳥に対応する店舗を探す

鳥のお世話を頼めるペットシッターを探すときは、ペットシッタープレミアムステージの鳥さんのお世話のページも参考にしてください。
ペットシッタープレミアムステージは、ペットシッターの店舗を探すための検索サイトで、鳥に対応している店舗の情報や、鳥のお世話でどんなことをしてもらえるかをまとめて確認できます。
掲載されている店舗ごとに、対応できる動物の種類や対応エリア、資格、料金の目安などが紹介されているので、自宅の地域と鳥の種類に合った店舗を比べながら探せます。
対応エリアは店舗により異なりますので、まずはお住まいの地域に対応している店舗があるかどうかを確かめてみてください。
鳥さんのお世話のページでは、ごはんと水の用意、ケージ内の清掃、食欲やフンの状態の確認、室温や空調の確認、写真や動画を添えた報告といったお世話の内容が紹介されています。
依頼したときの流れを具体的に思い描けるので、初めてペットシッターを利用する方にも参考になるはずです。
この記事の「ペットシッターが鳥のお世話でしてくれること」とあわせて読むと、自分の鳥に必要なお世話と、店舗に確認すべき点を整理しやすくなります。
気になる店舗が見つかったら、店舗のホームページから問い合わせを行い、この記事で紹介した内容を一つずつ確認していきましょう。
たとえば、第一種動物取扱業の登録番号、鳥の飼育経験、放鳥や投薬への対応、緊急時の連絡方法、料金の内訳とキャンセル料などは、問い合わせの段階で聞いておきたい項目です。
料金や対応できる内容は店舗ごとに異なるため、複数の店舗に問い合わせて比べると、自分の鳥に合ったシッターを見つけやすくなります。
問い合わせの際には、鳥の種類と数、ケージの数、留守にする日程、希望する訪問回数を伝えると、店舗からの回答も具体的になります。
鳥の写真や、普段のケージの様子が分かる写真を添えて相談すると、シッター側も必要な時間や道具を見積もりやすくなり、打ち合わせの前から話が進めやすくなります。
店舗ページを見るときは、対応できる動物の欄に「鳥」やインコなどの記載があるか、シッターの紹介文に鳥の飼育歴が書かれているかにも目を向けてみてください。
同じ「鳥に対応」でも、小鳥だけを扱う店舗もあれば、大型の鳥やニワトリまで相談に乗る店舗もあるため、紹介文だけで判断せず、問い合わせで自分の鳥の条件を伝えることが大切です。
なお、ペットシッタープレミアムステージのサイト上で予約や支払いが完結するわけではなく、依頼の申し込みや契約は、それぞれの店舗との間で進める形になります。
契約の内容や万一のときの取り決めは店舗ごとに異なるので、申し込みの前に店舗の利用規約や契約書をよく読み、分からない点はその場で質問しておきましょう。
初めて依頼するときは、打ち合わせやお試しの訪問を通して、シッターの人柄や鳥への接し方を自分の目で確かめると、次の長い留守にも落ち着いて任せやすくなります。
鳥のお世話を任せられるシッターが一人見つかれば、旅行や出張、帰省の予定も立てやすくなり、飼い主さん自身の暮らしにもゆとりが生まれます。
まとめ

鳥は音や光、環境の変化に敏感な動物なので、住み慣れた部屋のまま過ごせるペットシッターは、留守中のお世話を任せる方法として相性のよい選択肢です。
ただし、鳥だけで留守番できる日数に決まった基準はなく、留守の長さや季節、換羽期や持病といった鳥の状態によって判断が変わります。
ペットシッターにしてもらえる基本的なお世話は、ごはんと水の交換、ケージの掃除とフンのチェック、室温の確認、様子の報告です。
一方で、放鳥や投薬のように店舗ごとに方針が分かれる項目は、依頼の前に確認しておくことが大切です。
選ぶときは、第一種動物取扱業の登録、鳥の飼育経験と対応できる種類、事前打ち合わせの有無、緊急時の対応、鍵の預け方、料金の内訳と万一の取り決めを確かめましょう。
依頼が決まったら、お世話メモや予備の用品、動物病院の情報をそろえ、逃げ出しやほかのペット、人への感染にも配慮して準備を進めましょう。
そうしておくと、留守のあいだも鳥が普段に近いリズムで過ごしやすくなります。
気になる様子がある鳥は、出発の前にかかりつけの動物病院へ相談しておいてください。
鳥のお世話に対応する店舗を探すときは、ペットシッタープレミアムステージで地域と鳥の種類に合った店舗を比べ、店舗のホームページから問い合わせてみてはいかがでしょうか。






