旅行や出張、帰省の予定が決まったとき、インコと暮らす飼い主さんがまず直面するのが「この子をどこに預ければいいのか」という問題です。
近所のペットホテルに問い合わせてみたら犬と猫しか受け付けていなかった、という経験をした方もいるのではないでしょうか。
インコと一口にいっても、手のひらに乗るセキセイインコから、ハトほどの大きさがあるヨウム、ニワトリほどになるコンゴウインコまで体の大きさはさまざまで、鳴き声の大きさや必要なケージも大きく違います。
そのため、インコを預けるときは「インコだからこの預け先」と決めるのではなく、種類と性格に合わせて選ぶことが大切になります。
さらに、飼い主さんを呼び続ける呼び鳴きや、毎日の放鳥の習慣、器用なくちばしでケージの扉を開けてしまうといった、インコならではの悩みもあります。
この記事では、環境省が公開している「ペット動物販売業者用説明マニュアル(鳥類)」の種類別の記述をもとに、小型・中型・大型それぞれの預け方を整理しました。
そのうえで、預け先5つの向き不向きと、複数のインコを預けるときの注意点、出発前の準備までを順番に紹介していきます。
インコが留守中も落ち着いて過ごせるよう、預け先選びの参考にしてください。
目次
インコを預ける前に確認したいこと

預け先を探し始める前に、まずは自分のインコがどのような条件にあるのかを確認しておきましょう。
種類、年齢、健康状態、そして留守にする日数によって、自宅で待たせられるのか、誰かに世話を頼むべきなのかが変わってきます。
インコの種類によって預け方は変わる
インコは種類によって、体の大きさ、鳴き声の大きさ、寿命、寒さへの強さが大きく異なります。
たとえば環境省のマニュアルでは、セキセイインコは飼育下でおおむね10年前後、オカメインコは15〜20年くらい、大型のオウム・インコ類は30年以上生きることができると説明されています。
鳴き声についても、ボタンインコの仲間は「かなり高く、騒々しい種類」、大型のオウム・インコ類は「近くで話が出来ないほど」鳴き叫ぶことがあると書かれています。
鳴き声が大きい種類や体の大きい種類ほど、受け入れてくれる預け先は限られてくるため、候補を絞るときの最初の条件になります。
次の章で種類ごとの預け方を詳しく紹介するので、まずは自分のインコが小型・中型・大型のどれにあたるのかを押さえておきましょう。
同じセキセイインコでも、人の手でよく慣らした手乗りの子と、ペアで飼っていて人とは距離を保つ子とでは、知らない人の世話への反応が違う点も覚えておきたいところです。
何日まで留守番させられるか
インコを自宅だけで留守番させられる日数について、公的な基準はありません。
飼育情報やブリーダーの解説では、健康な成鳥であれば1泊2日までを目安にし、2泊以上になるならシッターやペットホテルを利用するという考え方が多く紹介されています。
これは、エサと水を多めに用意し、室温をエアコンで保つといった準備を整えたうえでの目安です。
環境省のマニュアルはセキセイインコについて、体の小さい鳥は体力がないので、いつもエサがあることを確認し、水は毎日取り替えるよう求めています。
1泊を超えると、エサ入れに殻だけが残っていたり、水がフンや水浴びで汚れていたりしても気づく人がいなくなるため、誰かに確認してもらう体制を整えておきましょう。
留守番を避けたいインコ
健康な成鳥でも1泊が目安なので、次のようなインコは短い外出であっても誰かの目が届く状態にしておくことが望ましいといえます。
- 挿し餌が必要なヒナや、ひとりでエサを食べ始めたばかりの若いインコ
- 高齢で体力が落ちているインコ、通院や投薬をしているインコ
- 迎えてから日が浅く、まだ新しい環境に慣れていないインコ
- 換羽の最中や、発情していて卵を産む可能性があるメス
鳥は具合の悪さを隠す生き物で、環境省のマニュアルでも「少しでもおかしいと思ったときにすぐに動物病院へ行かないと手遅れになることも少なくありません」と注意を促しています。
羽を膨らませてじっとしている、寝ている時間が長い、食欲が落ちている、下痢をしているといった様子は、多くの病気に共通する症状とされています。
出発前にこうした変化が見られたら予定を見直し、鳥を診ている動物病院に相談してください。
種類別に見るインコの預け方

ここでは、インコを小型・中型・大型の3つに分けて、それぞれ預けるときに気をつけたい点を見ていきます。
同じ種類でも性格や飼い方によって向き不向きは変わるので、あくまで目安として、自分のインコの普段の様子と照らし合わせながら読んでみてください。
| 分類 | 主な種類 | 預けるときの主な注意点 |
|---|---|---|
| 小型 | セキセイインコ、マメルリハなど | エサ切れと水の汚れ、寒さ、ほかの鳥との接触 |
| 中型 | オカメインコ、コザクラインコなどのボタンインコ類 | 夜の物音への反応、鳴き声の大きさ、つがいや仲間との関係 |
| 大型 | ヨウム、ボウシインコ、コンゴウインコ、白色のオウムなど | 受け入れ先の少なさ、丈夫なケージ、大きな声、強いくちばし |
セキセイインコなど小型のインコ
セキセイインコはオーストラリア原産で、環境省のマニュアルでは体長18cm、体重26〜29gほどの小さなインコとして紹介されています。
非常に丈夫な鳥とされる一方で、体が小さいぶん体力の余裕は少なく、エサ切れや水の汚れが続く状況にはとくに注意が必要です。
置き場所についてマニュアルは、夏は涼しく直射日光の当たらない場所、冬は暖房までは必要ないものの、暖かく風の当たらない環境に置くよう勧めています。
小型のインコは鳥を受け入れているペットホテルでも預かってもらいやすく、いつものケージごと持ち込めるかどうかを確認すれば、候補は比較的見つけやすいといえます。
ただし、人に慣れた手乗りのセキセイインコは飼い主さんがいないことに気づいて呼び鳴きが増えることもあるので、預け先のスタッフにはおしゃべりや鳴き方の特徴も伝えておきましょう。
オカメインコやコザクラインコなど中型のインコ
環境省のマニュアルでは、セキセイインコより大きく、ボウシインコ類より小さい種類を中型インコと呼び、オカメインコやボタンインコの仲間などがここに含まれます。
オカメインコは性質が穏やかで、ほかの小鳥と同居しても大丈夫とされていますが、突然の物音や揺れ、光などをきっかけにケージの中で激しく暴れる「オカメパニック」と呼ばれる状態があることを、鳥を診ている動物病院も紹介しています。
慣れない場所に預けると物音に驚きやすくなるため、オカメインコを預けるときは夜の環境をどう整えてもらえるかをしっかり確認しておきたいところです。
コザクラインコなどボタンインコの仲間は、つがいの仲がよく「ラブバード」とも呼ばれ、鳴き声が高く騒々しい種類とされています。
鳴き声の大きさを理由に宿泊を断られることもあるため、問い合わせの段階で種類を正確に伝え、受け入れの可否を確かめておきましょう。
冬の温度について、マニュアルはボタンインコ類やオカメインコは成鳥なら無加温でも大丈夫としつつ、風の当たらない暖かい所に置き、無理はさせないほうがよいとしています。
ヨウムなど大型のインコ・オウム
ヨウムやボウシインコ、コンゴウインコ、白色のオウム類などの大型種は、体重が300gから1kgを超えるものまであり、くちばしの力が非常に強いのが特徴です。
環境省のマニュアルには、金属のかごでも丈夫なものでないと簡単に壊してしまうと書かれており、預け先には大型種に対応した丈夫なケージがあるか、いつものケージを持ち込めるかが重要な条件になります。
鳴き声も大きく、朝や夕方、興奮したときに鳴き叫ぶことが多いため、鳥専門のホテルでも声の大きさによっては別室の利用や宿泊を断る場合があると案内しているところがあります。
また、初めて冬を越す大型種は15℃以上に保つ必要があるとされ、手乗りで育った個体はかまってもらえないと毛引きをしたり、人に攻撃的になったりすることもあると書かれています。
大型種は受け入れ先がもともと少ないので、急な予定に備えて、普段から大型種の扱いに慣れた預け先を探しておくと慌てずに済みます。
インコの預け先5つとそれぞれの向き不向き

インコの預け先として主に考えられるのは、自宅にペットシッターを呼ぶ、家族や知人に頼む、鳥専門のペットホテル、犬や猫も預かるペットホテル、動物病院の5つです。
同じ「ペットホテル」でも、鳥だけを扱う施設と、犬や猫と一緒に預かる施設とでは、インコにとっての過ごしやすさが大きく違います。
預け先を一覧で比べる
| 預け先 | インコの移動 | 向いているインコ | 確認したいこと |
|---|---|---|---|
| 自宅にペットシッター | なし | 環境の変化が苦手な子、大型種、複数羽 | 鳥の世話の経験、訪問回数、放鳥の可否 |
| 家族や知人 | 自宅で頼めばなし | 世話をする人に慣れている子 | 扉の開け閉めなど手順の共有 |
| 鳥専門のペットホテル | あり | 小型〜中型で声が大きすぎない子 | 必要書類、受け入れ種類、個別の部屋かどうか |
| 犬や猫も預かるペットホテル | あり | 物音に動じにくい小型の子 | 犬猫との距離、鳥の扱いの経験 |
| 動物病院 | あり | 持病や投薬がある子 | 預かりの有無、夜間の見守り |
移動のない自宅でのシッターは、種類や羽数を問わず選びやすい方法ですが、家に人を入れることへの抵抗がある方もいるので、それぞれの特徴を見て判断しましょう。
自宅にペットシッターを呼ぶ
自宅に来てもらうペットシッターなら、飼い主さんが不在のあいだもインコは自分の部屋から一歩も動かずに、食事の用意や掃除、体調の見守りを受けられます。
インコはいつものケージ、いつものおもちゃ、いつもの部屋のまま過ごせるので、移動や知らない部屋によるストレスを避けられます。
大型種のように持ち運べるケージが限られる子や、何羽も飼っていて全員を運ぶのが難しい場合にも向いています。
一方で、シッターによって鳥を扱った経験には差があり、放鳥をするかどうかの方針も事業者ごとに違うため、事前の打ち合わせで細かく確認しておく必要があります。
訪問中にどこまでの作業を頼めるのかは、ペットシッターは何をする?仕事内容を徹底解説で確かめられます。
家族や知人に頼む
インコがよく知っている家族や、鳥を飼った経験のある知人に頼めるなら、インコにとっても頼む側にとっても心強い選択肢になります。
ただし、インコは器用で好奇心が強いため、慣れていない人が水を替えようとして扉を開けた瞬間に飛び出してしまうことがあります。
世話を頼むときは、扉を開ける前に部屋の窓とドアを閉めることや、ケージに手を入れるときの順番まで、具体的に伝えておきましょう。
鳥専門のペットホテルに預ける
鳥だけを預かる専門のホテルでは、鳥の扱いに慣れたスタッフが世話をしてくれ、犬や猫の鳴き声に悩まされることもありません。
その代わり、ほかの家庭の鳥と同じ建物で過ごすことになるため、施設によっては感染症への対策として、初めての利用時に健康診断の結果などの書類を求めていることがあります。
書類の準備には動物病院での検査が必要になり、結果が出るまでに日数がかかることもあるので、利用を考えているなら早めに条件を確認しておきましょう。
また、受け入れる種類の範囲は施設によって異なり、大型種を受け付けていないところや、雄叫びが激しい大型種は別室の利用や宿泊を断ることがあると案内しているところもあります。
犬や猫も預かるペットホテルに預ける
犬や猫が中心のペットホテルの中にも、小鳥の宿泊を受け付けているところがあります。
身近な場所で見つけやすいのが利点ですが、犬の吠える声や猫の気配は、インコにとって落ち着かない原因になりやすい点に注意が必要です。
鳥をどの部屋に置くのか、犬や猫とどれくらい離れているのか、鳥の世話をした経験のあるスタッフがいるのかを、見学や電話で確かめておきましょう。
移動のあるホテルと自宅で過ごせるシッターの違いは、ペットシッターとペットホテルどっち?違いと選び方を解説で整理しています。
動物病院に預ける
鳥を診ている動物病院の中には、預かりに対応しているところがあります。
持病があって投薬が欠かせないインコや、高齢で体調の変化が心配なインコの場合は、獣医師の目が届く場所で過ごせることが大きな利点です。
ただし、夜間はスタッフが不在になる病院もあるので、診療時間外にどこまで様子を見てもらえるのかは事前に聞いておきましょう。
インコならではの悩みと預けるときの対策

インコは賢く、人とのかかわりを強く求める鳥なので、預けるときには文鳥やカナリアなどのフィンチ類とは少し違った悩みが出てきます。
ここでは、飼い主さんからよく聞かれる5つの悩みについて、預けるときにできる対策を紹介します。
呼び鳴きや大きな声
飼い主さんの姿が見えなくなると、大きな声で鳴いて呼び続ける「呼び鳴き」は、人によく慣れたインコほど強く出やすい行動です。
留守中は飼い主さんが戻ってこないため、いつも以上に呼び鳴きが続くこともあり、集合住宅では近隣への音も気になるところでしょう。
自宅でシッターに世話を頼む場合は、シッターが訪問すると鳴き止む子もいるので、訪問の時間帯を普段インコがよく鳴く朝や夕方に合わせてもらうのも一つの方法です。
ホテルに預ける場合は、呼び鳴きの強さを事前に正直に伝え、ほかの鳥への影響も含めて受け入れが可能かを確認しておきましょう。
放鳥ができない日の過ごし方
毎日ケージの外に出して遊ばせる放鳥は、インコにとって運動と気分転換の大切な時間です。
しかし留守中の放鳥は、知らない人の手に戻らない、窓や家具のすき間に入り込むといった事故のおそれがあるため、事故を避けるために放鳥を行わない方針のシッターやホテルもあります。
放鳥ができない日が続くときは、ケージの中で遊べるおもちゃを増やしたり、エサを探しながら食べるフォージング用のおもちゃを入れたりして、退屈しない工夫をしておきましょう。
ただし新しいおもちゃを怖がるインコもいるので、出発の1〜2週間前から入れて慣らしておくと、留守中に驚かせずに済みます。
ケージの扉を開ける・コードをかじる
インコは器用なくちばしと足を使って、スライド式の扉を押し上げて開けてしまうことがあります。
普段は飼い主さんがいるので問題にならなくても、留守中や慣れない人の世話の最中に扉が開くと、そのまま部屋に出てしまうおそれがあります。
扉にはナスカンなどの留め具を付け、世話をする人にも外し方と付け方を実際に見せておきましょう。
また、かじることが好きなインコは、ケージの外に出たときに電気のコードや家具をかじる危険があるので、ケージの近くにヒーターやカメラのコードを這わせないよう配置を見直しておくことが大切です。
夜のパニックに備える
鳥は日の入りとともに眠るのが基本で、環境省のマニュアルでも夕方暗くなれば静かに寝かせるよう勧めています。
一方で、オカメインコのように物音や揺れに驚いて暴れやすい種類もあり、動物病院の案内では、対策の一つとして夜間も常夜灯で薄暗くしておく方法が挙げられています(あっぷる獣医科病院「オカメパニック」)。
夜は暗く静かにしながらも、真っ暗にはしないという加減は、インコの種類や性格によって変わります。
普段、夜に常夜灯をつけているのか、ケージにカバーをかけているのかをお世話メモに書いておき、預け先でも同じ状態を再現してもらいましょう。
毛引きなどストレスのサイン
インコが自分の羽をかじったり抜いたりする毛引きは、環境省のマニュアルによると、オウム・インコ類のどの種類にも起こりうるとされています。
原因はさまざまで、慢性の病気や寄生虫、ホルモンのバランス、栄養の偏りなどに、精神的なストレスが重なっていることもあると説明されています。
長く預けたあとに羽が抜けている、落ちている羽が増えているといった変化に気づいたら、自己判断で様子を見続けず、鳥を診ている動物病院に相談してください。
預け先には、普段の羽の状態を写真で渡しておくと、変化があったときに比べてもらいやすくなります。
複数のインコを預けるときの注意点

インコは1羽だけでなく、2羽、3羽と一緒に飼っている家庭も多い鳥です。
複数のインコを預ける場合は、1羽のときとは違う確認が必要になるので、ここで整理しておきましょう。
とくに種類の違うインコを一緒に飼っている家庭では、それぞれの種類に合わせた世話の違いを伝えておく必要があります。
ケージごと・羽数ごとに条件が変わる
ペットホテルやペットシッターの料金や世話の時間は、羽数だけでなく、ケージの数や大きさによって変わることが多くあります。
たとえば鳥専門のホテルでは1ケージごとに料金を設定し、同じケージに入る羽数が増えると追加料金がかかる、という案内をしているところがあります。
シッターの場合も、ケージが3つ、4つと増えれば掃除とエサの交換にかかる時間が延びるため、ケージの数に応じた訪問時間を提案されることがあります。
問い合わせのときは「インコ3羽」だけでなく、ケージの数、それぞれの大きさ、同居しているかどうかまで伝えると、正確な見積もりと世話の内容を出してもらいやすくなります。
同じ部屋に置けるかを伝える
複数のインコがいる場合、相性や種類によって、同じ部屋に置いてよいかどうかが変わります。
環境省のマニュアルは、オカメインコについて性質が穏やかでほかの小鳥と同居しても大丈夫と説明していますが、どのインコにも当てはまるとは限りません。
コザクラインコなどボタンインコの仲間はつがいの結びつきが強く、ほかの鳥に対して気が強くなる個体もいます。
ホテルに預けるときは、普段どおり同じ部屋に置いてよいのか、別々の部屋にしてほしいのかを伝え、自宅でシッターに頼む場合も、放鳥を一緒にしてよい組み合わせかどうかをメモに残しておきましょう。
それぞれの見分け方がわかるように、名前と羽の色、足環の色などを写真付きでまとめておくと、世話をする人が取り違えずに済みます。
報告を受けるときも、1羽ずつの写真や、それぞれのエサの減り具合を分けて知らせてもらえるよう頼んでおくと、どの子の様子が変わったのかを飼い主さんが把握しやすくなります。
つがいで飼っているメスが留守中に卵を産むこともあるので、産卵の経験がある場合は、卵を見つけたときにどうしてほしいかもメモに書いておきましょう。
体調の悪い子がいるとき
複数のインコの中に体調を崩している子がいる場合は、預け方をとくに慎重に考える必要があります。
鳥にはワクチンがほとんどなく、環境省のマニュアルによると、同じ種類の鳥を複数飼っているところに新しい個体をすぐ同居させると、その個体が感染症を持っていた場合に全羽へ広がることがあるとされています。
ホテルに預ける場合は、ほかの家庭の鳥への影響もあるため、体調の悪い子は受け入れてもらえないこともあります。
体調に不安のある子だけを動物病院に預け、元気な子は自宅でシッターに見てもらうなど、預け先を分けることも検討してみてください。
どの方法がよいかは症状によって変わるので、まずはかかりつけの獣医師に相談し、預けてよい状態かどうかも含めて判断してもらいましょう。
インコの預け先を選ぶときに確認したいこと

候補となる預け先が見つかったら、問い合わせや見学の段階で次の5つを確認しておきましょう。
インコの種類や羽数によって確認すべき内容が変わるので、自分のインコに当てはめながらチェックしてみてください。
第一種動物取扱業の登録
ペットを預かって世話をする事業には、動物愛護管理法にもとづく第一種動物取扱業(動物を扱う事業者が受ける登録)が必要です。
環境省の説明では、ペットホテルもペットシッターも「保管」の業種に分類され、自前の飼育施設がなく訪問だけで世話をするシッターでも登録が求められます。
登録を受けた事業者は、事業所ごとに登録番号や動物取扱責任者の氏名などを記した標識を掲げることになっています(動物愛護管理法第18条、同法施行規則第7条)。
問い合わせの際は登録番号を尋ね、ホームページや事業所の掲示にも記載があるかを確認しておくと、事業者を比べるときの一つの目安になります。
登録の仕組みや事業者が守る基準は、環境省のページ「第一種動物取扱業者の規制」にまとめられています。
受け入れ可能な種類と大きさ
「小鳥可」と書かれていても、どの種類まで受け入れているかは事業者によって違います。
セキセイインコやコザクラインコは預かれても、オカメインコより大きい種類や、ヨウムなどの大型種は受け付けていない、というケースは珍しくありません。
問い合わせのときは「インコ」とだけ伝えず、種類名と体の大きさ、ケージのサイズを具体的に伝えて、受け入れの可否を確かめましょう。
大型種の場合は、ケージを持ち込めるか、ハンドリングに慣れたスタッフがいるかまで確認しておくと、当日になって断られる心配を減らせます。
健康診断書などの書類が必要か
鳥専門のペットホテルなどでは、ほかの鳥への感染を防ぐために、初めての利用時に健康診断の結果や検査結果などの書類の提出を求めることがあります。
環境省のマニュアルでも、オウム病など鳥から人にうつる病気について触れ、病気の鳥や菌を持っている鳥のフンからうつることがあると説明しています。
書類の準備には動物病院での受診が必要になり、検査の内容によっては結果が出るまでに時間がかかることもあるので、利用を考えているなら早めに条件を確認しておきましょう。
投薬や特別な食事に対応できるか
持病があって毎日薬を飲ませているインコや、ペレットだけ、あるいは特定のシードしか食べないインコの場合は、その世話に対応できるかを確かめておく必要があります。
投薬については、対応できる事業者とできない事業者があり、対応できる場合でも獣医師の指示書を求められることがあります。
特別な食事がある場合は、いつものエサを持参することを前提に、1回の量や与える時刻をメモで渡しておきましょう。
報告の方法と緊急時の対応
留守中にインコの様子をどのように知らせてもらえるのかも、預ける前に確認しておきたいポイントです。
様子の報告がLINEやメールで届くのか、1日に何回届くのか、急ぎのときは電話をもらえるのかといった具体的な手段を、依頼前にすり合わせておきましょう。
体調が急変したときにどの動物病院へ連れて行くのか、その判断を誰がするのか、費用をどう精算するのかまで取り決めておくと、いざというときに迷いません。
思わぬ行き違いを避けるための考え方は、ペットシッターのトラブル事例と回避方法を徹底解説でも紹介しています。
インコを預ける前の準備

預け先が固まったら、おもちゃの慣らしや書類の準備にかかる時間も考えて、出発の2週間ほど前から支度を始めるのがおすすめです。
ここでは、どの預け先に頼む場合にも役立つ準備を4つ紹介します。
食べ慣れたエサとおやつを用意する
インコは食べ慣れたエサへのこだわりが強い子も多く、預け先で別の製品に変わると、食べる量が落ちてしまうことがあります。
普段のシードやペレットは、預ける日数より少し多めに用意し、1日分ずつ小分けにしておくと、世話をする人が量を迷わずに済みます。
おやつとして与えている粟穂や好物の野菜は、世話をする人と仲よくなるきっかけにもなるので、与えてよい量と一緒に渡しておきましょう。
エサ入れと水入れは予備を用意し、ひっくり返したときや洗っている間の付け替えに使ってもらえるようにしておくと便利です。
お世話メモに書いておくこと
世話をする人に渡すお世話メモには、次のような内容をまとめておきましょう。
- インコの名前、種類、年齢、性別、普段の体重
- 羽の色や足環など、複数羽の見分け方
- エサの種類と1日の量、おやつの種類と与えてよい量
- 水の交換と水浴びの方法
- ケージの扉の留め具の外し方と付け方
- 放鳥をするかどうか、する場合の部屋の準備
- 呼び鳴きの強さや、よく鳴く時間帯
- 夜に常夜灯をつけるか、ケージにカバーをかけるか
- 触られるのが苦手な場所や、かみつきやすい場面
- かかりつけの動物病院と、飼い主さんの緊急連絡先
インコがよく話す言葉や、機嫌がよいときのしぐさも書き添えておくと、世話をする人がインコの気持ちを読み取りやすくなり、関係づくりにも役立ちます。
ケージまわりの安全を点検する
出発前には、ケージとその周りを点検して、留守中の事故のもとを取り除いておきましょう。
扉の留め具がしっかり付いているか、ケージの金網やつなぎ目に緩みがないか、止まり木やおもちゃが傷んでいないかを確認します。
ケージの近くに電気のコードやカーテン、観葉植物などがあると、放鳥の際にかじったり引っかかったりするおそれがあるので、手の届かない場所に移しておきましょう。
窓やベランダの戸の鍵、換気扇のすき間なども、世話をする人と一緒に確認しておくと、万一ケージから出てしまったときの被害を小さくできます。
室温とエアコンの設定を決めておく
インコの室温について環境省のマニュアルは、人と同じ部屋なら人にとって快適な温度と湿度で足りるとする一方、人のいない時間に暑くなりすぎたり冷えすぎたりしない工夫を求めています。
エアコンの設定温度と運転モードを決め、ケージに直接風が当たらない位置になっているかを出発前に確かめておきましょう。
冬にペットヒーターを使う場合は、インコがくちばしで届く位置にコードが出ていないかを確かめ、かじられないよう保護カバーを付けるか、ケージの外側を通しておきましょう。
エアコンが止まったときに備えて、世話をする人にはリモコンの置き場所とブレーカーの位置も伝えておきましょう。
出発の前日には実際にその設定で一晩過ごしてみて、朝の室温とインコの様子を確かめておくと、設定の見直しが必要かどうかを判断できます。
インコを預けるときによくある質問

最後に、インコを預けることについて飼い主さんからよく寄せられる質問にお答えします。
インコを預ける料金の目安は?
インコの預け料金は、ホテルかシッターか、地域、体の大きさ、羽数とケージの数、日数の組み合わせで決まるので、ひとつの金額で言い表すことはできません。
ペットシッターの料金は、一般に次のような要素の組み合わせで決まります。
【各ペットの基本料金】+【頭数×追加料金】+【延長料金】+往復交通費
依頼が集中する時期や、朝早く・夜遅くの訪問では割増料金が加わることがあり、初めて利用するときに登録料を設けている事業者もあります。
ホテルの場合は、ケージの大きさや羽数、大型種かどうかで料金が分かれていることが多いので、見積もりを取るときは種類とケージのサイズを伝えましょう。
見積もりを比べるときの見方については、ペットシッターの料金相場|選び方と注意点を解説が参考になります。
インコを連れて帰省してもいい?
帰省先の家族が鳥に理解があり、落ち着いて過ごせる部屋を用意してもらえるなら、インコを連れて行くのも選択肢の一つです。
ただし移動中はキャリーの中の温度が変わりやすく、車や電車の揺れや騒音もインコにとっては負担になります。
移動に慣れていないインコや、体の大きな種類、複数羽を連れて行く場合は、自宅でシッターに見てもらうほうが負担は小さくなりやすいといえます。
連れて行く場合は、出発の数週間前からキャリーを部屋に置いて慣らしておき、移動時間をできるだけ短くする計画を立てましょう。
帰省先に犬や猫がいるときは、インコを置く部屋を分けてもらい、扉の開け閉めにも注意してもらうよう事前に頼んでおくと、思わぬ事故を防ぎやすくなります。
購入したペットショップに預けることはできる?
インコを迎えたペットショップの中には、飼い主さん向けに一時預かりを行っているところもあります。
普段から鳥を扱っているスタッフに世話をしてもらえる点は心強いものの、売り場の近くに置かれると、夜遅くまで照明や人の出入りがある環境になりやすい点には注意が必要です。
預かりの有無だけでなく、どの部屋に置かれるのか、販売中の鳥と空間が分かれているのかを確認し、条件が合えば候補の一つに加えてみてください。
帰宅後に呼び鳴きが増えたときは?
預け先から戻ったインコが、しばらくのあいだ飼い主さんの姿を追って鳴き続けたり、そばを離れなかったりするのは、環境の変化のあとによく見られる反応です。
帰宅した日は、いつもの場所にケージを戻し、普段どおりの時間にエサや水を替えて、生活のリズムを元に戻してあげましょう。
放鳥も最初の数日は短めにして、インコが落ち着いてきたら少しずつ普段の長さに戻していくと、無理なく元の生活に戻れます。
呼び鳴きに毎回応えて駆けつけると、鳴けば来てもらえると覚えて呼び鳴きが続くこともあるので、静かにしているときに声をかけるなど、応じ方にも少し気を配ってみてください。
一方で、羽を膨らませてじっとしている、エサを食べない、フンの様子がいつもと違うといった変化がある場合は、呼び鳴きの問題とは分けて考え、鳥を診ている動物病院に早めに相談しましょう。
インコのお世話に対応するシッターを探すには

移動の負担がなく、種類や羽数を問わず頼みやすいのが自宅でのペットシッターです。
ここでは、インコの世話をシッターに頼むときに伝えておきたいことと、インコに対応するシッターの探し方を紹介します。
シッターは鍵を預かって自宅に入る仕事なので、インコの世話の腕前だけでなく、打ち合わせでの説明のわかりやすさや連絡の取りやすさも、依頼先を選ぶ大切な手がかりになります。
インコのシッターに伝えておきたいこと
インコのシッターを探すときは、料金や日程だけでなく、次のような点を最初の問い合わせで伝え、対応できるかを確かめておくと話が早く進みます。
- インコの種類と羽数、ケージの数と大きさ
- 呼び鳴きの強さや、よく鳴く時間帯
- 放鳥を希望するかどうか
- ケージの扉の留め具など、脱走を防ぐための工夫
- 夜の照明やカバーの扱い(常夜灯の有無など)
- 投薬や特別な食事の有無
- 大型種の場合は、かむ力やハンドリングの注意点
事前の打ち合わせでは、シッターにインコと顔を合わせてもらい、実際に水の交換や扉の開け閉めをやってもらうと、当日の手順のずれを減らせます。
インコがシッターに対して怖がる様子を見せるか、興味を示すかを飼い主さんが確かめておけば、依頼するかどうかの判断材料にもなります。
大型種や複数羽の場合は、世話にかかる時間が長くなりやすいので、1回の訪問でどこまでの作業をしてもらえるのか、時間内に終わらないときはどうするのかも打ち合わせで決めておきましょう。
鍵の受け渡しと返却の方法、入ってよい部屋、触ってよい家電の範囲も、このときに一緒に確認しておくと、留守中の行き違いを防げます。
インコに限らないシッター選びの基本は、ペットシッターの選び方|失敗しない8つのポイントで押さえておけます。
ペットシッタープレミアムステージで探す
ペットシッター探しには、シッター店舗の検索サイト「ペットシッタープレミアムステージ」も利用できます。
サイトでは対応できる動物の種類ごとに店舗がまとめられており、鳥のページからインコの世話を頼めそうな店舗を探せます。
各店舗の紹介には対応エリアやサービス内容が載っており、依頼や相談は、気になった店舗のホームページへ移動してそれぞれ直接問い合わせる形になります。
複数の店舗を見比べるときは、対応できる動物の欄に鳥が含まれているかに加えて、紹介文に書かれた飼育経験やサービスの内容も目を通しておくと、問い合わせる店舗を絞りやすくなります。
料金、訪問できる時間帯、対応エリアは店舗によって違うため、インコの種類や羽数、放鳥をどうするかも含めて、条件は店舗ごとに確かめてください。
年末年始やお盆、大型連休などは依頼が集中しやすいため、日程が決まったら打ち合わせの時間も見込んで、早めに相談を始めておきましょう。
相性のよいシッターに続けて頼めば、インコにとっても顔なじみの相手になり、次の留守番のときには落ち着いて世話を受けやすくなります。
まとめ

インコを預けるときは、まず自分のインコが小型・中型・大型のどれにあたるのかを確かめることが出発点になります。
体の大きさや鳴き声、くちばしの力、寒さへの強さが種類によって違うため、鳴き声が大きい種類や大型種ほど、受け入れてくれる預け先は限られてきます。
自宅だけでの留守番は健康な成鳥で1泊2日までが一つの目安で、2泊以上になるときや、若鳥・高齢・持病のあるインコは、世話をする人を手配しておきましょう。
預け先には、自宅でのペットシッター、家族や知人、鳥専門のペットホテル、犬や猫も預かるペットホテル、動物病院の5つがあり、移動のないシッターは種類や羽数を問わず選びやすい方法です。
呼び鳴き、放鳥、扉を開ける習性、夜のパニック、毛引きといったインコならではの悩みは、事前にお世話メモで伝え、普段と同じ環境を再現してもらうことで負担を減らせます。
複数のインコを預けるときは、ケージの数と大きさ、同じ部屋に置けるかどうか、体調の悪い子がいないかを伝え、必要なら預け先を分けることも考えてみてください。
預け先を選ぶときは、第一種動物取扱業の登録、受け入れ可能な種類、必要な書類、投薬への対応、報告の方法を確認しておくと、当日になって慌てる場面を減らせます。
インコの性格をいちばんよく知っているのは飼い主さんなので、その知識をしっかり引き継いで、留守中もインコが落ち着いて過ごせる準備を整えてあげましょう。







