猫の留守番ストレスを防ぐには?原因・サインと安心できる対策

猫は単独行動を好む動物だといわれ、留守番も得意なイメージを持つ飼い主さんも多いのではないでしょうか。しかし実際には、留守番中の猫がストレスや寂しさを感じているケースは少なくありません。

大切な家族である愛猫に、少しでも安心して留守番をしてもらいたい。そう考える飼い主さんのために、この記事では猫が留守番で感じるストレスの原因やサイン、日頃からできる準備、注意点までを詳しく解説します。愛猫の様子と照らし合わせながら、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

猫は留守番でストレスを感じるのか

猫はもともと、単独で行動することにあまり苦痛を感じない動物です。犬のように群れでリーダーに従う習性がないため、1匹で過ごすことにも慣れやすいという特徴があります。

しかし、飼い主さんに愛情を注がれて育った猫は、飼い主さんがいなくなることに寂しさを感じることがあります。とくに、飼い主さんを母猫のように慕っている場合、離れる時間が長くなるほど不安を抱きやすくなるのです。

猫にも寂しがり屋の性格がある

猫にはそれぞれ個性があり、甘えん坊で寂しがり屋な性格の猫もいれば、単独行動を好み、留守番を苦にしない性格の猫もいます。

「猫だから留守番くらい平気だろう」と思い込まず、愛猫がどのような性格なのかを日頃から観察しておくことが大切です。飼い主さんとべったり過ごす時間が長い猫ほど、依存度が高くなりやすい傾向があります。

留守番が得意な猫・苦手な猫の特徴

留守番が得意か苦手かは、猫自身の性格だけでなく、飼い主さんとの普段の関わり方によっても左右されます。

以下のような違いが見られます。

タイプ特徴
留守番が苦手な猫飼い主さんと常にべったり過ごしている、ひとりの時間が少ない
留守番が得意な猫普段からひとりで過ごす時間が確保されている、環境の変化に慣れている

ふだんから適度な距離感を保ちながら暮らすことで、愛猫は留守番にも少しずつ慣れていきます。

猫がストレスを感じたときに見せるサイン

猫は言葉で気持ちを伝えられない分、行動でストレスや不満を表現します。飼い主さんが変化に気づいてあげることが、早期の対策につながります。

留守番後に見せる行動の変化

飼い主さんが帰宅した際、猫が次のような行動を見せることがあります。

・体をスリスリとすり寄せてくる
・「にゃー」とはっきりした声で鳴く
・甘えるように後をついてまわる

こうした行動は、寂しさから甘えたい気持ちの表れだと考えられています。帰宅後はできるだけ声をかけたり、遊んであげたりする時間を作ってあげましょう。

拗ねているときの仕草

一方で、不満やストレスが強い場合には、次のような仕草を見せることもあります。

・押し入れや部屋の隅に隠れる
・名前を呼んでも無反応
・怒ったり、威嚇したりする
・物を落とす、トイレを散らかすなどの行動

猫の機嫌が戻るタイミングに決まりはありません。優しく声をかければすぐに甘えてくることもあれば、しばらく拗ねたままのこともあります。根気強く猫のペースに寄り添う姿勢が大切です。

「分離不安症」の症状とは

寂しさが慢性化すると、猫も心の不調をきたすことがあります。これが「分離不安症」と呼ばれる状態です。分離不安症とは、慣れ親しんだ人や環境から離れることに強い不安を感じてしまう状態を指し、犬や猫にも見られます。

分離不安症の主なサイン

分離不安症の症状は、大きく2つの状態に分けられます。

興奮・攻撃的な状態で見られるサイン

・興奮して落ち着きがなくなる
・鳴き声が大きくなる
・カーテンや家具に登って物を壊す
・攻撃的な態度を見せる
・吐いたり、よだれを垂らしたりする

元気消失・抑うつ的な状態で見られるサイン

・食欲を失い、怯えたような姿勢や表情を見せる
・体を執拗にグルーミングし、脱毛を起こす(オーバーグルーミング)
・トイレ以外の場所で排泄してしまう
・体を舐め壊すなど、過度なグルーミングによって皮膚を傷つけてしまう

これらのサインが頻繁に見られる場合は、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。症状によっては、動物行動学に詳しい獣医師の診察が必要になるケースもあるため、まずは普段通っている病院で相談してみるとよいでしょう。放置すると症状が悪化する可能性があるため、早めの対応が肝心です。

不安が強い場合はペットホテルや知人に預ける選択肢も

分離不安症の傾向が強い猫を無理に留守番させると、かえってストレスを悪化させてしまう恐れがあります。そのような場合は、知人に預ける、あるいはペットホテルを利用するという選択肢も検討しましょう。

普段から慣れ親しんでいる知人であれば、猫もリラックスして過ごしやすいというメリットがあります。事前に何度か顔を合わせておくと、より安心感を持たせやすくなるでしょう。

猫の留守番はどのくらいの期間まで大丈夫?

猫を留守番させる際、多くの飼い主さんが気になるのが「どのくらいの期間なら大丈夫なのか」という点でしょう。ここでは、目安となる期間について解説します。

丸1日程度なら基本的に問題なし

健康な成猫であれば、丸1日程度の留守番は問題なく行えることが多いとされています。ただし、これまで長時間ひとりで過ごした経験がない猫の場合、いきなり丸1日以上留守番させるのはおすすめできません。

その日の猫の体調によっても許容できる時間は変わってくるため、外出前には愛猫の様子をしっかり確認しておきましょう。

2日以上の外出はペットシッターや知人への依頼を検討

留守番が2日以上に及ぶ場合は、注意が必要です。フードが傷んだり、飲み水が不足したりするリスクが高まるためです。自動給餌器や自動給水器を設置していれば安心感は増しますが、それでも長期間となると心配は残ります。

2日以上家を空ける予定がある場合は、ペットシッターや信頼できる知人に依頼する方法がベストな選択といえるでしょう。

子猫・老猫・持病がある猫は留守番に不向き

以下のような猫は、長時間の留守番を避けたほうが安心です。

・生後半年以内の子猫
・何らかの疾患を抱えている老猫
・多頭飼いで頭数が多い場合

とくに子猫や持病のある猫は、体調の急変に対応できないリスクがあります。また、多頭飼いの場合はトイレやご飯の消費ペースが早くなるため、頭数が多いほどより入念な準備が必要になります。留守番自体ができないわけではありませんが、フードやトイレの数を多めに用意するなど、単頭飼いのとき以上に対策を手厚くしておきましょう。

ストレスを軽減するために必要な準備

猫がストレスなく留守番できるようにするには、日頃からの心がけと、当日の環境づくりの両方が欠かせません。

日頃から留守番に慣れさせておく

留守番の対策は、当日だけでなく普段の関わり方から始まっているといっても過言ではありません。愛猫が1日で急に留守番上手になることはないため、日頃から少しずつ慣れさせていくことが重要です。

具体的には、次のような工夫が効果的です。

・普段から愛猫と適度な距離感を保って接する
・短時間から少しずつひとりで過ごす時間を作る
・愛猫の要求のままに常に抱っこするのではなく、飼い主さんが主導権を持つ
・お利口に待てたときにしっかり褒めてスキンシップを取る

こうした積み重ねによって、**「要求がすべて通るわけではない」という状況と「ひとりでも平気に過ごせる時間」**を少しずつ愛猫に学んでもらうことができます。根気のいる作業ですが、長期的に見て愛猫のストレス軽減につながる大切なプロセスです。

食事・お水の準備

留守番中の食事とお水は、愛猫の健康に直結する重要なポイントです。

キャットフードは、傷みにくいドライタイプを選びましょう。目安として、外出期間に必要な量に加えて1日分程度を多めに用意しておくと安心です。

お水についても、必要量に1〜2日分をプラスした量を準備しておくとよいでしょう。

自動給餌器・自動給水器の活用

決まった時間に一定量のフードや水を与えられる自動給餌器・自動給水器を使えば、食事やお水の管理をより確実に行えるようになります。飼い主さんの声を録音して知らせてくれる機能付きの製品もあり、外出が多い方には心強いアイテムです。

お水の器は倒れにくいものを選ぶ

留守番中は普段と違う行動をしてしまうこともあり、水の器を倒してしまうケースも珍しくありません。倒れにくい安定したタイプの器を選び、3ヶ所以上に分けて設置することで、水切れのリスクを減らせます。直射日光が当たらない場所に置くことも忘れないようにしましょう。

トイレの準備

トイレの清潔さは、猫にとって大きなストレス要因になり得ます。

予備のトイレを用意する

猫は汚れたトイレを嫌う傾向があるため、頭数+1個のトイレを用意しておくことが望ましいとされています。外出前には普段のトイレをしっかり掃除し、猫砂も普段より多めに入れておくと安心です。

安心できる環境づくり

留守番中も愛猫が落ち着いて過ごせるよう、環境面でも工夫を施しましょう。

飼い主の匂いがついたものを置く

寂しがり屋の猫には、飼い主さんの匂いがついたタオルや衣類を置いておくと安心感を与えられます。飼い主さんの姿が見えなくても、匂いによって心を落ち着けやすくなるためです。

爪とぎやおもちゃなどストレス解消アイテム

退屈な時間を減らすために、お気に入りのおもちゃや爪とぎを用意しておきましょう。ただし、誤飲につながる小さなパーツやひも状のものは事故の原因になるため避けてください。

見守りグッズ

離れていても愛猫の様子を確認できるアイテムがあると、飼い主さんの安心感にもつながります。

留守番カメラ・モニターの活用

留守番中の部屋の様子を映し出す留守番カメラやモニターを設置しておけば、外出先からでも愛猫の様子を確認できます。給餌器と一体化した製品や、飼い主さんの声を送れる機能付きのものもあるため、使いやすいタイプを選びましょう。

猫を留守番させるときの注意点

猫は好奇心旺盛で身体能力も高いため、留守番中の事故防止対策も欠かせません。

戸締りとコンセントの確認

猫が外に出てしまわないよう、戸締りは厳重に行いましょう。賢い猫だとドアノブを開けてしまうこともあるため、ドアストッパーの利用も効果的です。

また、コンセントをいたずらして感電することがないよう、使っていないコードは抜いておくようにしましょう。延長コードが長く伸びていると、絡まって遊んでしまう危険性もあるため注意が必要です。

誤飲・落下事故を防ぐ対策

小さなアクセサリーや文房具、乾電池などは、猫が誤って飲み込んでしまう可能性があります。床にものを置きっぱなしにしない、生ゴミは外出前に処理しておくなど、事前の対策を徹底しましょう。

また、本棚や家具に登って倒れる落下事故にも注意が必要です。突っ張り棒などで家具を固定しておくと、地震の際の安全対策にもなります。

ケージに入れず部屋を開放しておく

留守番中は、猫が自由に動き回れるようにケージに入れず、各部屋のドアを開放しておくことが望ましいとされています。動きを制限されることは、猫にとって大きなストレスになるためです。

夏場は熱中症、冬場は寒さ対策も忘れずに

季節ごとの温度管理も重要なポイントです。

夏場は熱中症のリスクが特に高まるため、エアコンを室温25〜28度程度の除湿設定にし、カーテンを閉めて直射日光を避けるようにしましょう。

冬場は毛布などで防寒対策をしておくと安心です。ただし、電気カーペットやコタツなどの電気暖房器具は、感電のリスクがあるため使用を控えるのが無難です。

立ち入り禁止エリアを守る工夫

キッチンやお風呂場など、猫に入ってほしくない場所には、パーテーションやゲートを設置しましょう。設置後は、実際に自宅にいるときに機能しているか確認しておくことをおすすめします。猫の身体能力は想像以上に高いため、油断は禁物です。

何日も留守にする場合の対策

数日にわたって家を空ける場合は、より入念な対策が求められます。

ペットシッターに依頼する

ペットシッターは、留守中に定期的に自宅を訪問し、食事やトイレの世話をしてくれるサービスです。住み慣れた環境でお世話を受けられるため、猫にとって負担が少ないという特徴があります。

利用にあたっては、ワクチン接種状況などの条件がある場合もあるため、事前に各社のホームページなどで確認しておきましょう。

知人・友人に依頼する

合鍵を渡すことに抵抗がある場合は、信頼できる知人や友人に依頼する方法も検討してみましょう。警戒心の強い猫であれば、留守番を頼む前に一度その人と顔を合わせる機会を作っておくと、猫も安心しやすくなります。

ペットホテルを利用する

ペットホテルでは、シャンプーや健康チェックなどのサービスを受けられる施設もあります。ただし、猫は住み慣れた環境から離れることを嫌う傾向があるため、性格によってはストレスになる可能性も否めません。不安な場合は、事前にホテル側へ相談しておくと安心です。

大切な家族の安心を、プロの手に任せるという選択肢も

ここまでご紹介した対策を行っても、「それでも留守中が心配」と感じる飼い主さんは少なくないはずです。とくに数日にわたる外出の場合、環境の変化に弱い猫にとっては、住み慣れた自宅でお世話を受けられることが何よりの安心材料になります。

そんなときに心強い存在が、厳しい基準をクリアした店舗のみを掲載するペットシッター検索サイト「ペットシッタープレミアムステージ」です。掲載されているシッターは、ペットにストレスをかけないお世話の技術を学んでおり、人見知りの猫にも無理をさせず、丁寧に信頼関係を築きながらお世話を行います。お世話中の様子は写真付きで報告してもらえるため、外出先からでも愛猫の様子を確認できるのも嬉しいポイントです。

大切な愛猫の留守番に不安を感じている方は、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

猫は単独行動を好む動物である一方で、飼い主さんとの関係性によっては、留守番中にストレスや寂しさを感じることがあります。日頃から愛猫の性格や様子を観察し、少しずつ留守番に慣れさせていくことが、ストレス軽減の第一歩です。

食事やトイレ、安心できる環境づくりといった基本的な準備に加え、季節ごとの温度管理や事故防止対策もあわせて行うことで、猫はより快適に留守番の時間を過ごせるようになるでしょう。

数日にわたる外出の際は、無理をせずペットシッターやペットホテルなどのサービスを頼ることも大切な選択肢のひとつです。愛猫にとって最適な方法を見つけて、飼い主さんも猫も安心して過ごせる毎日を目指しましょう。

この記事を書いた人

佐藤弘幸

Written by

佐藤弘幸

アイノス本部代表。日本最大手のペットシッターフランチャイズの最高責任者の経験を経て、
ペットシッターに関する記事執筆を担当。
自身も柴犬やキンクマと暮らした経験から、飼い主目線での情報発信を心がけています。
保有資格:ペットシッター士